喜び勇んでジリオン10の動画を撮影してから1週間がたち、案の定、2台目を購入してしまいました。これからはこの2台で撃ち物、底物をやり尽くそうと思っています。

インスタ映えするジリオン10
つまり、これまでブツクサ文句を言いながら使ってきた3台の16メタニウムMGL XG(1台行方不明…どこいった?)とは、ついにお別れのときがやってきたということです。
「あばよ、メタニウム。」
思い返せば、バス釣り復帰(たしか2015年?)直後の僕に「バス釣りの何たるか」を教えてくれたリールでした。今の自分の流儀(爆笑)である撃ち物や底物にハマるきっかけとなったのは、間違いなく16メタニウムMGL XG(とファクトHFAC-70HST)のおかげです。
人生初のロクマルも、50UPハットトリックも、僕のバス釣りライフに衝撃を与えたイベントは、基本的に16メタニウムMGL XGがやらかしました。

メタMGLの功績
「失って初めて気がつく」とはよくいいますが、本当にいいリールだったなあ…と、いま、強烈なフラッシュバックに襲われています。僕の場合はジリオン10に置き換わるんですが、20メタニウムのレフトハンドルモデルが発売されたら同じ境遇に立つ人が一気に増えるはずです。
というわけで今回は、16メタニウムMGL XGの活躍を回想しながら、このリールの素晴らしさをシェアしたいと思います。

目次
3台の16メタニウムMGL XG
2016年にシマノ渾身のミドルクラス、否、軽量バーサタイルベイトリールのフラッグシップとして産声を上げた16メタニウムMGLですが、僕がこれを購入したのは34mm径のハイスピードリールとして、撃ち物・底物に使いたかったから。まずはXGを2台購入し、体に馴染んでからもう1台追加しました。
これだけ買いそろえるということはつまり、自重が軽い、スプールが軽い、回収速度が速い、キャストスピードが速いという、僕が撃ち物・底物用リールに求めるすべてが、いい塩梅で備わっていたわけです。

若き頃のメタMGL
撃ち物・底物に屈指の性能
ハッキリ言って、撃ち物・底物のオペレーションにおいて、2020年現在、いまだに16メタニウムMGL XGを大きく上回るリールはありません。肩を並べる製品はあっても、ブッチギリにやられることはマジでないです。
エクストラハイギアモデルを3台、ほかのリール(ジリオンやスティーズ)と散々比べながら、4年間みっちり使ってきた僕が断言します。16メタニウムMGL XGは、撃ち物・底物用のリールとしてのみ、向こう数年間も間違いなくトップクラスの性能を保持し続けます。
だから撃ち物・底物用のリールをこれから買おうというのであれば、新しい道具をあれこれつまんでいくアホでない限り、16メタニウムMGL XGも選択肢に入てあげてください。なんなら20メタニウムXGのようなクソリールを買うよりは、絶対におススメできます。
ひとめでわかる16メタニウムMGL XGのズバ抜けた優位性
とりあえず、当面の間ライバルになりそうな34mm径スプール搭載リールと比較してみましょう。
アイテム | 自重 (g) |
最大巻上長 (cm) |
---|---|---|
16メタニウムMGL XG | 175(2位) | 91(3位) |
20メタニウムXG | 175(2位) | 86(4位) |
16スティーズSV TW XH | 160(1位) | 86(4位) |
17スティーズA TW XH | 190(3位) | 86(4位) |
16ジリオンSV TW XXH | 200(4位) | 97(2位) |
20ジリオン10.0 SV TW | 215(5位) | 106(1位) |
比較する必要のない項目は削除しました。スプール周りの情報も、後からなんとでもできるので載せていません。ギア比も最大巻き上げ長さえわかればどうでもいい数字なので省いています。
こうやってスペックを比べると、16メタニウムMGL XGがいかに撃ち物・底物に対する適性が高いかが一目瞭然です。
シンプルに軽い
ブッチギリで軽いとは言いませんが、リストアップしたライバル機の中では16スティーズSV TWに劣るものの、20メタニウムと並んで同率2位。175gってかなり軽い部類ですよね。少なくともシマノの同サイズではいちばん軽いです。

ちなみに20メタニウムは、ギア素材がブラス(真鍮)になったことで、ジュラルミンギアの16メタニウムMGLと比べるとギア単体で3倍重くなっています。
これはブラスとジュラルミンの比重差から簡単にわかることですが、16メタニウムMGL XGのドライブギアが6g程度なので、20メタニウムXGのドライブギアは15g程度あるはずなんですよね。もちろんピニオンギアも同様。
つまりギア以外の部分で、10gかそれ以上に軽量化されているわけです。すごいですね~!^^
…と単純にほめられたものではありません。20メタニウムはこれを少しでもごまかしたかったのか、ドライブギアを小さく(ギア比を低く)改悪してきました。ついでに言うと、ハンドルも5mm短くして自重を合わせてきましたね。
これじゃあ20メタニウムXGは16スティーズSV TW XHに(巻き心地とか剛性感という無意味な性能を除いて)何ひとつ勝てないクソリールです。
バカか? ノーマルギアでもハイギアでもなく、エクストラハイギアを買う人は、どう考えても回収速度を重視しているわけです。それ以外になにかありますか? これは考えの押し付けでもなんでもなくて、そうでなければつじつまが合わない「論理」です。つまりAだからB、BならAという法則的なつながりです。
いやそもそも20メタニウム発表時には『シルキーな巻き心地を持続させるため、ブラスギアにしました!』「やった~!」「ばんざーい!」っていうアホが多くて驚きました。
巻き心地は、釣果に関係ありません。百歩譲ってあったとしても、せいぜい巻き物だけです。たしかに巻き物は、とくにギアに負担がかかるので、単純に強度面から見てブラスギアを使うのは頷けます。いや、頷けません。ゴリシャリしたら買い替えろ。シルキーに巻きたきゃコンクエストやアンタレスを買えって話。
一方で撃ち物や底物はリールの構造上、思っているほどギアに負担がかかりません。だからXGだけでもジュラルミンにしてほしかったところです。そうすればこれまでのドライブギア径を維持したまま、理屈では自重165g近くまで落とせたはずです。究極の撃ち物リールになっていたんじゃないですか?
とにかく、安物にすべてを求めたアホどものおかげで、今度のメタニウムはアイデンティティを失ってしまいました。とても残念です。
普通に速い
ひと巻き91cmの回収速度は表中では3位ですが、実はシマノの同サイズの中では、リストにないものも含めてこれがいちばん速いんですよね。

ダイワにはこれまでにも97cm回収できる爆速リール、16ジリオンSV TW XXHがありましたが、ジリオン10というそれを超える化け物が登場したことで、異常に速いのがよければもうダイワ一択だよねっていう世界観になってきました。ひと巻き106cmは、もはやワープです。
ただしジリオン系統は、自重にどうしようもないハンディキャップを背負っているので、多少遅くはなるものの、16メタニウムMGL XGの方がトータルバランスは優れていると思います。
僕はジリオン10を2台買ってしまったので、猛烈にプッシュしたいところなんですが、やっぱり軽さと速さのバランスという意味では、16メタニウムMGL XGが群を抜いています。

ネガはないの? 普通にあるよ。
取るに足りないクソしょーもないことですが、ネガもあるにはあります。
デカい、ダサイ、以上。これだけです。好みの範疇ですが、僕は手が小さいので、16メタニウムMGLの尻のデカさがたまらなく嫌いです。パーミングのしやすさは、明らかに20メタニウムやスティーズに軍配が上がります。
ただしこれは人によって本当に感じ方が違うので、これ以上は書きません。
いま16メタニウムMGL XGを検討している人へ
新品の特価品、または中古市場やフリマ、オークションなどのセカンドマーケットで、いま16メタニウムMGL XGの購入を検討している人。
迷う必要はありません。
それが撃ち物、底物用のリールとして考えている限り、まずもって後悔することはないと言い切れます。
まとめ
捨てたり売ったりするわけじゃないので、ちょっと大げさだった気もしますが、とにかく16メタニウムMGL XGはいいリールでした。
ちょっと頭のおかしいリールを作ってくれるダイワやアブはともかくとして、シマノのリールは年々角の取れた丸いリールばかりになってきてしまっています。
20メタニウムの登場で、なんの特徴もないバーサタイルな路線が決定的なものとなったいま、16メタニウムMGL XGが最後の傑作と呼ばれる日も近いかもしれません。