聞いたことがないメーカー名に見たことのないパッケージ、小売店に堂々と鎮座する正体不明のルアーブランド。そういったルアーはたいていの場合、そもそも露出がなく話題にも上がらない。
お店での扱われ方も雑そのもので、足元のカゴでチャンポンにされ、通常価格の値札のすぐとなりに黄色い値札が貼られ、その上にさらに黄色い値札が重ね張りされるという特価札のバベルタワー状態。値札が貼られすぎていてどれがホンモノなのかわかりません。
パッケージの状態も日を追うごとに悪くなり、コレいつになったら売れるんだ?と心配してしまいます。なんでこんなもん仕入れたんだ?
言っちゃ悪いんですけどそういったルアーっていかにも釣れなさそうで、いくら安くても手に取ることがありません。バサーはミーハーばかりなので、最低限ルアー雑誌に露出しているようなメーカーでないと安心できませんよね。
でも最近、どうしても気になってしょうがない、怪しすぎるルアーブランドがあります。
それがタイトルにもある通り「オルルド釣具」というブランド。
目次
オルルド釣具
初めての出会いは2015年。僕がシーバス用のローリングベイトをAmazonでディグっていると、そっくりな激安ルアーを発見。覗いてみると、メーカー名がオルルド釣具。たぶん、Amazonでしか取り扱っていないんじゃないですかね。そんな気がします。
モノホンのローリングベイト1個分の金額で、なんと5個セットが買えるという驚異的なコストパフォーマンスに愕然としましたが、どう見ても模造品。いくら安くてもローリングベイトと同じように使えなければ意味がないので、華麗にスルーしました。
それ以来、何度も目にすることがあったんですが、当然買わず。
ところが最近になってオルルド釣具はとんでもないハイセンスブランドだということが分かったので、急に興味がわいてきました。
ルアーの名前がずば抜けてハイセンス
メガバスならDOG-XだとかPOP-Xだとか、なんとかエックスってのがひとつのアイデンティティとして機能しているし、レイドジャパンも同様にレベルバイブ、レベルスピンと同様のネーミングがキャッチー。
ぶっちゃけルアーの名前ってすごく大事で、名前がカッコいいからってだけの理由で人気のルアーも数多くあります。結果、使う人が多いもんだからその分インスタとかツイッターを通して釣果情報が出回りやすく、さらにユーザーが増えていくという仕組み。
じゃあオルルド釣具はどうなのかってーと、はっきり言ってメガバスやレイドジャパンなんて目じゃないぐらいイケてます。
さっそく紹介していきましょう。
グニャルドA
出た!と言いたくなる「グニャルドA」。5か所もあるジョイントがグニャグニャのスラロームアクションをやってのけそうで、おそらくジョイクロのようなS字形…なのか?わかりません。
125mmで22g。オンスクラスで表記すると7/9ozですが、ビッグベイトと言うにはあまりにスモールなので、ジャンルとしてはジョイントベイトにあたると思います。
ネーミングセンスが秀逸で、これを見て以来オルルド釣具が気になってしょうがない。この人を引き寄せるアピール力はきっと魚が相手でも同じように発揮できるでしょう。
でも本当にちゃんと泳ぐのか?
グニャルドB
写真を見るからにガンタレルやブルシューターを多関節(5節)にしたようなギル系ビッグベイト。
当然「オルルド釣具 ビッグベイト」で検索するとヒットしますが、イメージ写真を見てびっくり。

ベビーサイズのグニャルドB
あのな、いい加減にしろよ!スペックをよく見ると50mm 3g。でもこれは…正直、めちゃくちゃ釣れそうだ。
グニャルドC
こいつもギル系ビッグベイト(社内基準)ですが、さすがにシリーズもCまで来るとかなり煮詰まってきますね。見た目だけはギルロイドにそっくりです。ラインアイはなぜか脳天にありますが。
ただ、79mm 13gというのはグニャルドBよりは大きいですが、それでもやっぱりビッグベイトというのには違和感があります。
注目すべきはテールの構造で、ソフト素材っぽいシャッドテールをトレブルフックが貫通していて根掛かりしにくそう。

テールを貫通するリアフック
これって画期的なアイデア商品だと思うんですが、どうでしょう。注目度ぶっちぎりナンバーワンといったところでしょうか。
グニャルドD
やっぱりグニャルドCじゃダメだったのか…と思わせるのに十分なグニャルドD。シャッドテールはオミットされ、通常のハードマテリアル&多関節に逆戻り。やっぱり凝ったことしてもダメなもんはダメなんですね。
コイツの特徴はカラーバリエーションで、カワムツ、ギンブナ、セグロ、ブラウントラウトというリアル系カラーに混ざって「チマミレ」というバスっぽい魚が背中から血を流している絵柄があります。
モグルドA
めちゃくちゃよく潜りそうなシャッドプラグ、モグルドAは5個セット販売。
全長100mm(リップ含む)で8g。サスペンドかと思いきやフローティングなので、どちらかというとクランクベイトのような使い方になりそうです。
リップは40mmあるので、ディープダイバーとまではいかないにしても結構潜りそうですね。
やや重めの設定がベイトタックルにはうれしいですが、果たして…。
シャロルドA
一方であまり潜らなさそうなのがシャロルドA。全長82mm(リップ含む)で9g。
ショートビルのシャッドタイプで、普通に釣れそうだからネタとしてはあまり面白くないルアーだと思います。とにかくロストのリスクが高いルアーなので、5個セットで1000円というのはマジでありがたい。
クランクルドA
琵琶湖・野池・フレッシュウォータースペシャル!というキャッチコピーがいかにも釣れそうなミニクランクベイト、クランクルドA。
55mmで8.2gという、スピニングタックルではやや重くベイトタックルでは投げにくい設定も玄人感を醸し出せていいぞ!
デフォルトの状態ではフロントフックとリアフックが絡みそうなので、フックサイズを下げて使いたいところ。
ミノルドA
再び琵琶湖・野池・フレッシュウォータースペシャルのミノルドA。8cm 6.3g。
泳ぐ、釣れる、すべての要素を凝縮!実績の高いカラーセレクトでお魚たちもイチコロ。
という説明通り、普通に釣れそうなんですけど、その一方で
泳がない。傾く。回転する。使い物にならない。お金の無駄遣いだった
というレビューも。どっちなんだぜ?
バイブルド
70mm 10gのごく一般的な3/8ozクラスバイブレーション、バイブルド5個セット。なぜかこいつは商品名にAがつかない。
バイブレーションプラグは適当に作ってもある程度泳ぐので、オルルド釣具の中では使いやすい部類に入るはず。
クリアカラーもあって内部構造が見えるんですが、いっちょまえにラトルやウェイトが設置されています。
ポッパルドA
POP-Xのオマージュっぽい見た目のポッパーですが、65mmで13gという通常では考えにくい重さが特徴。本当に浮くのか?
ひょっとするとシンキングポッパーという新たな時代の幕開けか…?
ペンシルドA
80mmで9g。スペックだけ見るとごく一般的なペンシルベイト。
スイムドA
これまでのルアーのネーミングには○○ルドというこだわりがあったかのように見えて、実はそうでもなかったというのが浮き彫りのスイムドA。ポッパルドなんか相当無理をして「ルド」をジョイントしたはずなのに…。
またしても多関節(3節)のジョイントベイトなんですが、120mm 16gとやや小さいですね。でもちゃんと泳ぎさえすれば十分に使えそう。
ピーコックバスカラーがラインナップされているのも面白い。
まとめ
Amazonでルアーを買う人の中にはオルルド釣具が気になってしょうがないという人は多いと思いますが、ここまで書いてもまったく実態がつかめないところがオルルド釣具のスゴさ。
ちなみにルアーだけでなくロッド、リール、ライン、その他プライヤーなどの便利アイテムをラインナップしています。
どれも他メーカーの追随を許さない強烈な安さなので、本当に使えるのであれば超お買い得。これはいっちょ、試しに買ってみるしかないのか…?