今こそ評価したいジグロッド、テムジン・ガンスリンジャーのインプレ

はじめに

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というわけで…

ヘビーカバーのジグ撃ちを楽しむには、ギンギンの感度ガチムチのパワーを備えたロッドが必要なわけですが、そういえば去年(2018年)、ラピッドガンナーという化け物ロッドが発売されましたね。

トーナメント仕様のRSR-C70XHXが目玉ぶっ飛ぶ90000円。さらにヘビーデューティー仕様にカスタムされたHD-C70XHXはさらに上をゆく92000円! ということですから、貧乏子持ちサラリーマンが1年間小遣いを貯めても、下手をすれば手が届かないロッドです。

「欲しいものは借金してでも買う」がモットーな僕も、「カートに入れる」ところまではノンストップで行ったんですが、見えない力に阻まれてポチることができませんでした。

過去を振り返ってみると、カートから脱出した唯一のロッドかもしれません…。

しかし「ジグ撃ちてえ!」という気分だけは解消しなかったので、部屋の隅にある40ℓゴミ箱を漁ってみると…。

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ありました!超一級のジグロッド!

シンカーよりもロッドをたくさん買う僕は、1年に少なくとも10本以上はロッドを買っていて、使わなくなっても面倒なので売ることはしません。だからふとした時に、「マジで忘れられていた名竿」がここから顔を出します。

今回見つけたのはTMJC-610H。テムジンシリーズのジグロッド、ガンスリンジャー(The Gunslinger)で、冒頭に登場したラピッドガンナーと同様に電撃フックセッターと称されるポジションのジグロッド。実に3世代前の祖先にあたります。

初代ガンスリ、ことテムジン・ガンスリンジャー

初代ガンスリ、ことテムジン・ガンスリンジャー

電撃(笑)の系譜

コンバットスティック
CSC-65H ガニングシャフト(初代電撃)

インスパイア
ICSC-68H トライアンフ (2代目電撃)

テムジン
TMJC-68H ガニングシャフト“デンゲキ”(3代目電撃)

テムジン
TMJC-610H ガンスリンジャー(4代目電撃)

テムジン・カレイド
TKLC-70XHX ブラックガンナー(5代目電撃)

カレイド・インスピラーレ
TKIC-610H ガンスリンジャー(6代目電撃)

公式ホームページより。

テムジン・ガンスリンジャー

最近でこそ薄れてきた「ヘビーカバー大好きというブランディング」を地で行ってた頃、つまり大昔にジグ撃ち専用に買ったロッドですが、その後に購入したビットーリアGVTC-73Hにすべてを奪われて使わなくなりました。

ビットーリアもすぐに使わなくなりましたが…。

「最後に見たものや触ったものを最高だと思い込む性質」があります。

で、改めて振ってみると…。

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なんじゃこの最高のロッドは!

10年以上も前に作られた古いロッドですが、ハッキリ言って性能は近年のそれと比べても遜色ありません。

なんだかんだ言って、ロッドは言うほど進化してねーんだな…とショックを受けるほどの完成度だと僕は思います。

で、この「生きた化石」とも言えるオールドスクールなジグロッドのスゴイ点はズバリ、下記4点に集約されます。

  1. 標準自重143gを感じないハイバランス
  2. 必要十分な強度を確保した超高弾性ロッド
  3. 近年のロッドに匹敵する高感度
  4. デザインがクソカッコいい(サイン除く)

標準自重143gを感じないハイバランス

ちなみに電撃シリーズ最新作のラピッドガンナーはRSRもHDも145gです。

ラピッドガンナーは全長が7フィートに長尺化されたとは言え、最新モデルより軽いというのは恐るべき事。

つってもただ軽いだけのロッドはたくさんあります。ジグロッドの場合は単純な軽さよりも、丸一日ピッチングを繰り返し、丸一日ロッドを縦に捌くことを想定したバランスが重要。

で、TMJC-610Hは見るからに先重りしそうな見た目とは裏腹に、驚くほどバランスがいいんです。

僕はこれに16メタニウムMGL XGを合わせていますが、発売当時は存在しえなかった軽量ベイトリールにもかかわらず、抜群のピッチングバランスが完成します。

これには本当にたまげた。

古いロッドを使う場合、バランスを考慮してわざわざ重めのリールを合わせることがありますが、こいつにはそんな気遣い一切不要です。

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必要十分な強度を確保した超高弾性ロッド

40t、50tのカーボンプリプレグをプライアップした、超が付くほどの高弾性ロッドですから、当然破断強度が心配になります。

高弾性ロッドというのは粘りが効かない分脆いのは確かです。

流行りのトレカT1100G(33t)やM40X(40t)のような、低樹脂・高弾性率でありながら高強度を実現した最先端カーボンプリプレグはこの定説を覆しましたが…当然古いロッドなのでそんなシロモノは使われていません。

でも実際にこのロッドを使っていて、かつデカバスをヘビーカバーから何度も抜いていて、「折れそう」と感じたことは一度もありませんね。

軽くて硬い、近年のロッドにありがちな、太さで硬さを出したロッドはカーボンプリプレグのプライ数=積層数が少なく、つまり肉薄で、つぶれに対する強度の低さが際立ってしまいますが、TMJC-610Hは思いのほか細身肉厚特にバット方向はギュッと詰まった質感があって、かなりの安心感。

TMJC-610Hに限らず、電撃シリーズは「折れる」と言うインプレが結構多いように見受けられますが、ぶっちゃけ「どんな使い方したら折るんだ?」と不思議に思います。

近年のロッドに匹敵する高感度

匹敵するというのは控え目な表現で、実際には多くのジグロッドを超える感度を備えています。

これは超高弾性マテリアルを採用した、かつ設計の古い(と言うより今風でない)ロッド特有の冴えわたるようなギンギンの感度です。

こういう混じりっ気なしの伝達能力というのは、最近のロッドではなかなか味わえないですね。

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ギンギン感度の正体

最新最先端の高弾性ジグロッドの感度がイイのは当然ですが、これは「カーボンプリプレグの低樹脂化・軽量化」が最大の要因だと思います。カーボン繊維量を落とさずに、接着剤の役割を担うレジン量を減らすことで軽量化と高感度化を実現しているわけ。

でもそれだけじゃあ芸がないというか「これまでも十分だった感度がさらに向上した」だけの話。すでに必要十分だった部分なので、余剰な性能は従来高感度化とトレードオフだった機能・性能に割り当てられる

となれば、これまで(一部のロッド折りマンから)問題視されてきた靭性=曲げ強度の確保だったり、キャスト時の捻じれ(=パワーロス)に対する強度を高める方向にシフトするのは当然の流れです。

結果的に多くのメーカーが外層補強クロスカーボン製法(バイアス構造)を取り入れました。

僕も4軸補強(最外層)だとかバイアス構造(内層)だとかは大好きで、とくに捻じれが抑えられることによる収束の速さ、それに伴うキャストスピードの速さはもちろんのことながら、なんとなく筋肉質な感じのする見た目にもすっかり虜。

今使用しているロッドのほとんどがそうした補強の入ったロッドです。ただ一方で、補強はそもそもロッドの贅肉だとする考え方もあります。

正直、キャストを伴わない釣り=近距離でのカバー撃ちや、ロッドの復元力が問われない釣り=ゴリ巻きのパワーフィッシング、ロッドを縦に捌く釣りで「ブランクの捻じれ」が問題視されることはあまりないと思います。

無駄とまでは言わないけれど、オーバースペック。なんだったら、昔ながらの2方向性カーボンによる製法で十分だと思うわけです。

通常、ロッドは繊維が180度方向に伸びるストレート層と、90度方向のフープ層によって作られます。フープ層によってツブレに対する強さが確保されるんですね。

実際、TMJC-610Hは僕が過去に使用してきたロッドの中ではずば抜けて反響感度が高いですが、これはシンプルな製法だからこそだと思います。

頻繁に登板するファクトHFAC-70HSTなんかと比べても、はるかに反響しますからね。

最新のロッドでも、あえて2方向性カーボンのみで構成したシリーズがあるぐらいですから、あながち勘違いでもないと思います。

ismのINFINITE BLADEがそんな感じです。軽さと感度を追求し、クロスカーボン製法を撤廃。2方向性カーボンのみで全アイテム構成するギンギンなシリーズですね。

ダルンダルンにラインスラックを出した状態でバイトを取る際は目視に頼りがちですが、たいていの場合は同時に手元まで反響するので、ラバージグの釣りがかな~り楽しくなります。

デザインがクソカッコいい(サイン除く)

電撃の系譜らしく「きりたんぽ」をモチーフにしたフォアグリップがかっこいい

電撃の系譜らしく「きりたんぽ」をモチーフにしたフォアグリップがかっこいい

きりたんぽ風のフォアグリップが格好いいですね。

まとめ

とにかく古い製品ですが、まだまだ余裕で使えるジグ撃ちロッド、テムジン・ガンスリンジャー。

ずっと眠らせていた僕が言うのもおかしな話ですが、むしろ今だからこそ見直すべき高性能ロッドだと思います。

中古価格も悲しくなるほど安くなっているので、本格的ジグロッドが欲しい人は、ラピッドガンナーをあきらめてこいつを買うと幸せになれますよ。

1ロッド1リールの原則

2019年春のバス釣りタックル紹介

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