かつてはクランキングやワイヤーベイティングに夢中だったんですが、今となっては撃ち物、底物を主体とした釣りにすっかり入れ込んでしまい、「巻きのMONSTER」にもはや見る影無し。(そもそもそんな奴はいなかった。)
なんだかバス釣りの醍醐味と言うか、ロマンから遠ざかってしまっている気がするなーと感じていたので、この度、ややマジな巻き物用タックルを導入する運びとなりました。
2018年8月の頭に購入後、数回使用したので軽ーくインプレしたいと思います。
目次
スーパースタリオンGT
で、何を買ったのかと言うと、カレイド・インスピラーレGTシリーズのヘビー級バーサタイルロッド「スーパースタリオンGT」。

The Super Stallion GT
同シリーズにはレングス・グリップ長がドンピシャで好みなグランドコブラGTというロッドもあったので、どちらにするかかなり悩みましたが、結局先調子が好きなのでスーパースタリオンGTにしました。
用途からして、どちらかの購入を考えている人は僕と同じように悩むかもしれませんので、参考になるようなインプレになるといいんですが…。
とりあえずスペック。
全長 | 2.17m | 継数 | 1 |
---|---|---|---|
標準自重 | 132g | パワー | ミディアムヘヴィ |
ルアー範囲 | 10.5~84g(3/8~3oz) | ライン範囲 | 12~30lb |
価格 | 69,000円(税別) |
もう書いてあること無茶苦茶です。132gという軽量ロッドで3ozまで背負えるんですからね。価格もそこそこで、お手頃感があります。
※RSリミテッドに比べれば。
RSリミテッドはトーナメント用ですから、当然ボート向けにチューニングされているのに対して、GTってーとやっぱりおかっぱり用チューンなんだよね?と思っていましたが、どうやらそんな単純な話ではないようです。
開発コンセプトなんていうのは、ただの釣り好きにしてみればどうでもいい話なのですが、興味のある人はここを読んでみるといいかもです。
一応、公式の紹介文も引用しておきます。
20年に1度の革新的素材、高強度・高弾性率カーボン「トレカ®T1100G」を採用し、軽量かつタフネス仕様に生まれ変わったスーパースタリオン、それがスーパースタリオンGT。陸っぱりでのハードな使用はもとより、トーナメントウェポンとしての血筋を受け継ぐいだインスピラーレ・スーパースタリオンの剛性強化モデルとして、驚異のヘビー級バーサタイル性を発揮する。
ブランクスにはトレカ®T1100Gをメインに使用し、一部に40トンの超高弾性カーボン、さらには、全身を45度&30度カレイド・スーパークワトロクロスで補強することで、従来モデルと全体重量をほぼ変えずに15%以上の粘り強度を実現、圧倒的なパワーと驚異の操作性を手に入れた。
ガイド構成も特徴的で、ティップからベリーセクションにはチタンフレーム・トルザイトリングのダブルフット、バットセクションにはステンレスフレーム・SiCリングのダブルフットタイプを採用。タフネスさはもちろん、ティップ方向を軽快に扱う縦さばきも使用用途の念頭に置いた、バーサタイル性重視のセッティングを施している。
そのうえ、快適な手元重心バランスをつくりだすEVAのストレートダブルハンドグリップとの組み合わせで重量配分の適正化を施し、歴代スーパースタリオンと比べて圧倒的な軽量感を実現。EVAのストレートダブルハンドグリップは同時に、剛性感を向上させるとともに経年劣化を抑える選択でもある。また、手元が太いハイテーパーロッドはもともと感度を増幅させるメガホン効果が高いが、ストレートのダブルハンドグリップはそれをさらに増幅させる機能も持つ。
モンスターを余裕で浮かせるパワー、気難しいビッグバスを相手にする際に重要な正確無比な操作性やヘビーウェイトルアーを1日中振り抜くことができる軽量性……あらゆるヘビー級ルアーを余力を持ちながら悠々かつ繊細に扱うことができるハイパワーロッドの理想形が劇的進化。片手でも振り切れるほどの驚異的超軽量バランスと、相反する剛性強度を持ち合わす、下段上段構えを問わないヘビー級バーサタイル、スーパースタリオンGT。
僕の読解力が無いのか、やっぱりエバーグリーンの製品紹介文って何が言いたいのかサッパリわかんないんですよね~…。
わからないなりに店頭で曲げて、他社ロッドも吟味した結果、想定していた巻き物にドンピシャなフィーリングだったので購入しました。
じゃ、さっそく稚拙な感想文を書いていきましょう。
1~2ozの巻き物にドンピシャ
一応「ヘビー級バーサタイル」と言い表されるロッドなんですが、僕は1本のロッドでなんでもかんでもやるのは好きじゃないので、(表記ではなく実際の総重量が)1~2oz程度のスイムベイト、ワイヤーベイト、ビッグクローラーベイトを中心とした重めの巻き物を、巻いて乗せることだけを考えて購入しました。それ以外の用途、例えば(スイムジグを除く)ジグやテキサスのようなワーミングなんかに使うことはありません。
せいぜいヘビキャロに使ってもいいかな?程度。
各ルアーの使用感など詳細は後述しますが、ルアーウェイトだけを考えると1~2ozはもっとも投げやすく、扱いやすいゾーンだと思います。合わせるリール、ラインもそれに特化して使いたいところです。
リール:15カルカッタコンクエスト101HG
ライン:シューター・FCスナイパー16lb
ラインは14lbでもいいですね。とにかくデカい羽モノを使うなら20lbでも。

相方は就職先のなかったカルコン
ミディアムティップ&ヘビーバット
スースタGTの素性をひとことで語るとすればこれ。ティップは(決して華奢ではないんだけど)しなやかで、バットはゴン太。
いわゆるハイテーパー=テーパー角が大きく、先調子になりがちなので、2oz以上でかつ体積の大きいルアー=ビッグベイトなどをオーバーヘッドで振りぬくのは若干怖くもあります。そんな時は、グランドコブラGTをどうぞ。
めっちゃ軽い
7フィートクラスのロッドとしてはそこそこ軽めの132g。にしてもスゴイのはそのバランスで、肉厚ローテーパーでやや先重りする(だがそれがいい)グランドコブラに比べてまったくと言っていいほど先重りせず、バット部からグリップにかけてウェイトが集中しています。

長さを感じない手元重心
EVAストレートグリップ、しかもエンドキャップなしというセッティングは、個人的にもっとも(ビジュアル的に)苦手な組み合わせですが、わざわざこのようにしたのもうなずけます。とにかくバランスがいい。リール(カルコン101HG)を乗せた状態では完全に重心が手元にきます。

ビジュアルを犠牲に機能性を追求したEVAストレートグリップ
じゃあGT2RSを買えって言われそうですが、高すぎんだよなぁ。
ちなみに僕はあまりロッドのバランスを気にしないので、「ワーオ」と感心はしますが、ぶっちゃけどうでもいいポイントです。
オールダブルフットガイド
何気にうれしいのがこの項目。これとは反対に、オールシングルフットガイドのファクトシリーズ(HFAC-70HST、HFAC-67MHST、HFAC-511MHST)を愛用していますが、車やボートに積んでいるだけで足が曲がってしまうなんてことがしばしばあります。
曲がっても戻せるレベルなら機能上は問題ないのですが、ダブルフットガイドの安心感はずば抜けていて、ロッドを束にしたり倒したりしたときの無敵感はスゴく安心できます。
ガイド数は最小限の9点
小径ガイドの多点配置というトレンドに逆行し、大口径ガイドを最小限の個数のみ配置したガイドセッティング。さらにフロントヘビーにならないようステンレスフレームSiCリングガイドは元ガイドからの3点のみで、ベリーからティップには全てチタンフレームトルザイトリングガイドを配置。

ガイドはデカくて少ない
これこそがウリのひとつなんですが、個人的にはもう1つ増やしてほしかったですね。
というのも、公式の文章に書かれているようなメリットがたくさんあるとはいえ、元ガイド位置がリールからかなり離れているため、ロッドを横に構えて巻き抵抗の大きい巻き物を使うと、ブランクスが曲がることで元ガイド位置がセンターラインを大きく外れ、スプールに巻き取られるラインが若干ですが偏ります。
特にカルコンのようなレベルワインダーの左右往復運動が遅く、ポジションが高いリールではこの偏りが顕著で、使用上問題はないにしろ気持ちが悪いです。非常に惜しいポイント。これを改善するためには、ハイスピードレベルワインドを搭載したロープロリール(主にダイワ・アブ系)の使用をおすすめします。
有り余るパワー
これを書いている時点では40UP、45UP、50UPをそれぞれ1本ずつしか上げていませんが、真面目な話、50UPが相手でも赤子同然のやり取りが可能です。ラインが16lbクラスで、相応に剛性感のあるリールを合わせるわけですから、掛けてからは「ファイト」なんてもんじゃなく、一方的な暴力と言っていいかもしれません。
とにかくブランクスの「曲がり切ってから戻ろうとする力」がハンパではないので、魚が数段小さく感じるほど。やり取りを楽しみたい人には、正直向いていません。笑
ルアー別実戦インプレ
さて、ここから先がようやくまともなインプレとなります。
大切なことなので何度でも書いておきますが、僕はスーパースタリオンGTを重めの巻き物専用として購入しました。ですので、その他の目的で検討している人にはまったく参考にならないかもしれません。
スイムベイト
個人的に、スーパースタリオンGTでもっとも扱いやすく、主力となるのが小技の効く1~1.5ozのスイムベイト。具体的にはデビルスイマー(26g)~デビルスイマーセブン(43g)や、ベビーステルススイマーヘビーウェイト(32g)、ステルススイマー(32g)、ステルススイマーヘビーウェイト(42g)あたり。
小技と言うのはスキッピングや、障害物へのコンタクト、トゥイッチによるヒラ打ちなどをイメージしていますが、やっぱこういうのはファーストテーパーの方がやりやすいですね。
でもダンクル(62g)など、2oz以上でなおかつ体積の大きいスイムベイトならさすがにグラコブGTの方が投げやすいし操作感もよりリニアで、スースタGTだと少し無理をさせている感があります。とにかくやたらデカいルアーが好きな人は迷わずにグラコブGTですね。
ちなみにベビーステルススイマーヘビーウェイトで40UPを釣りましたが、リトリーブ時=低負荷時にはほぼ入らないティップが、バイト時にはしっかり食い込むので巻いて乗せるの流れがとてもスムーズ。
あとは超パワーでジェットスキー状態です。
チャターベイト
もうひとつのメインルアーがチャターベイト。これはヘッド重量1/2ozに5インチクラスのトレーラーというのが個人的にドンピシャ。チャターはスティーズカバーチャターやコブラチャター、トレーラーはもっぱらシャッドインパクト5インチ(7.2g)、ドライブスティックスペック2ノンソルト4.5インチを使ってます。
重さに対して体積の小さなルアーなので、最小限の動作でもロッドにウェイトを乗せやすく、ハイテーパーならではのコンパクトなキャストでもぶっ飛ばし可能。こうした特性も加味すると、スイムベイト以上に使いやすいマッチザタックル感があります。
ブレードのガシャガシャというバイブレーションは、ロッドによってだいぶ伝わり方が違いますが、スースタGTはこれまで使用してきたM~Hクラスの中ではぶっちぎりで振動を拾うような気がします。
スースタGTはブレードの左右運動に合わせて、ティップが入って戻ってまた入る、といった「ミシン針のような運動が」控えめに言って大げさ。ド・ド・ド・ド・ドって感じですかね、かなり低周波の効いた振動を感じることができます。
これが「ミディアムティップ、ヘビーバット」の恩恵なのか、ハイテーパー化による「メガホン効果」なのか、独自の「ガイドセッティング」の賜物なのか、オカルトじみていてやや不気味ですけど、たしかに気持ちいい。
コブラチャター1/2oz+シャッドインパクト5インチで45UPを釣った時にはド・ド・ド・シーン…と急に静かになったことで食っているのがわかりました。とはいえ全然シビアじゃない食い方&完全に巻きアワセだったので、もうちょっと釣り込まないと良し悪しがわかりませんね。
まあとにかく、チャターはクソ気持ちいいです。
ビッグベイト
多様化し過ぎていてどこからどこまでがビッグベイトなのか、すでに僕自身わかっていませんが、2oz前後までの小型のビッグベイトにもそこそこ使えます。
ただ巻きや早巻きでしっかり泳ぐ多関節ビッグベイト、2ozよりも重いビッグベイト(いずれもダウズスイマーとか)なんかだと完全にグラコブGTの領域ですが、ジョイクロをはじめとしたトゥイッチングベイト、もしくはゾーイのようなI字系、スライドボマーのようなスラロームベイトならスースタGTがイイと思います。
スライドボマーはビッグベイトなのかすら怪しいですが、42g(表記は40g)というのはオーバーヘッドのフルキャストでぶっ飛ばせる臨界のウェイト。アクションもつけやすく、しっかり50UPを仕留められました。
ビッグクローラーベイト
最近流行りのいわゆる羽モノ。アベンタクローラー、NZクローラー、リザードクローラーとかですね。全然やり込んでいないし他のロッドで投げたこともないのですが、少なくともアベンタクローラー(無印)はとても扱いやすいです。
魚を掛けていないのでなんとも言えませんが、たぶん問題ないでしょう。
ヘビースピナーベイト
おかっぱりではあまり出番のない5/8oz以上のスピナーベイトも、チャターほど「おお!これは」と思うことがないにしろ、普通に使えます。
ただ、よっぽどのことがない限り使わないですね~、僕は。スピナベ巻くなら、専用タックルを組んだ方が快適だと思います。
撃ち物全般
ヘビテキやジグにも使えるんでしょうけれど、あまり快適じゃなかったので一生使うことはないですね、ハイ。
まとめ
本当は「1本あればヘビー級ルアーがなんでもこなせるバーサタイル」なんだけど、何かに特化するなら巻き物、中でもスイムベイト、チャターベイト、ビッグクローラーベイトにはとにかくいいと思います。
1~2ozクラスのオモマキ用ロッドで悩んでいる人は、一度振ってみてはいかがでしょうか。