2020年、ホバストと並んで大流行間違いなしのボリュームベイト。その正体は単なる昔懐かしのリグなんですが、これまであまりクローズアップされてこなかったこともあり、どんなタックルが向いているのか、いまいち情報がありません。
というわけで、今回は僕がボリュームベイトに使っているタックルを紹介しつつ、「なんでそうなるの?」というところにも言及していこうと思います。

目次
ボリュームベイトタックル
ちなみに僕は今現在、2本のタックルを使い分けています。
使い分けとは言っても、ルアーウェイトやアプローチによってコロコロ持ち替えていると言うよりは、ズバリボートなのかおかっぱりなのかで変えている程度です。
ボヤっとした表現ですが、僕の場合、ボートならアンダーめなタックルの方が快適だし、おかっぱりならオーバーめなタックルの方が快適なんです。
これについても後段で触れていきますが、まずはボリュームベイトというルアーの性質に合ったタックル選びの基本的な考え方から抑えていきましょう。
ラインを細くするメリットはナシ
まずルアーにいちばん近いラインから。これは特別な理由がない限りはフロロカーボンラインの太番手を使えばOK。
ボリュームベイトは十分に自重のあるルアーなので、ラインを細くすることによって受けられる恩恵(沈みやすくなるとか…)は何もありません。14lb程度を基準に、リールとの相性、同じタックルを兼用するルアーと相談しながら決めれば問題ないと思います。
僕は15カルカッタコンクエスト101HGに14lb、19アンタレスHGに12lbを巻いて使っていますが、もしボリュームベイトだけで釣りができるならカルコンに16lbかなってところです。
19アンタレスの場合は仕様上、太糸に向かないので12lb固定です。
ロッドは案外弱めのM〜MHクラス
結構重くなりがちなボリュームベイトですが、ロッドは一般的なM〜MHクラスでOK。
まず、僕が一番多用するボリュームベイトのセッティングは、ハイピッチャーMAX1/2oz+ドライブシャッド4.5インチです。これにトレーラーフックやキーパーなど諸々のパーツを合わせると、ざっと35g程度になります。オンス表記だと1・1/4oz。
となれば、一般的なメーカーのロッドならMHクラスの上限前後。モノによってはHクラスでも適応ルアーウェイトギリギリなんてこともあります。
誰がどう見てもヘビー級のルアーなんですが、じゃあ短絡的にMH~XHぐらいのパワーを選べばいいのか? というと、実はそうでもなくて、僕はこれにMクラスのHFAC-65M(ボート)、またはMHクラスのIGTC-71MH(おかっぱり)を使用しています。
スーパースタリオンGT(IGTC-71MH)の方はMHクラスと呼んでいいものかわからんぐらいパワフルですが…。
着水すればただのスピナーベイト
いくら「アンダー目が快適」と言っても、35gのルアーをMクラスのHFAC-65Mで扱うのは一見無謀に見えます。なんならHFAC-65Mの適合ルアーウェイトはMAX3/4oz(21g)です。1.5倍以上のウェイトを担ぐわけですから、折れても文句は言えません。
とはいえ、ボリュームベイトも着水してしまえばただのスピナーベイトだということを忘れてはいけません。これは実際に釣りをしてみるとわかるはずです。
ブリブリのトレーラーをつけたところで巻き抵抗はほとんど変わらないし、なんならスピナーベイト単体の時に比べて浮き上がりやすくなるため、よりシャローの釣りが主体となるか、あるいはよりスローな操作で沈めるかの二択となります。
結果、いずれの場合も極端にロッドが曲がるほどの抵抗が生じず、ロッド自体のパワー=硬さをそれほど必要としないわけ。
なので、キャストさえどうにかなってしまうのであれば、操作性やノセやすさを重視して、普段からスピナーベイティングに使用しているロッドを選ぶのが最適だと考えています。
同じことをやってロッドが折れても責任は取れませんが、実際問題、HFAC-65Mで35gのボリュームベイトは普通に投げられます。オーバーヘッドで振り抜いても余裕なんですよね。
肉厚ローテーパーなスローアクション
ロッドのアクション(テーパー)について、これは好みが大きく影響する部分ですが、個人的には肉厚ローテーパーによるスロー寄りのアクションがおすすめ。
重いボリュームベイトを投げやすいということもひとつの理由なんですが、何より曲がりのピークが手元寄りにあることでバイトをノセやすく、バレにくいです。もし手元にあればローテーパーなロッドを選んでください。
HFAC-65Mは典型的な暑巻きローテーパーの巻き物ロッドなので、その点もすごく相性がいいです。
IGTC-71MHはハイテーパーのファストアクションなので、スイムベイトのようにラインを弛ませながら巻くのに適しています。これはこれですごくイイです。
レングスは好みでどうぞ
竿の長さはおかっぱりならさすがに7ft前後がイイと思いますが、ボートなら好みで調整するといいかと思います。
個人的にはスナッグレス性を生かしてカバー近くやピンスポットにスパッと入れることが多いので、6フィート台半ばが使いやすいです。
リールはハイギアでFA
なんとなく巻き抵抗の重さを懸念する人が多そうですが、ハッキリ言ってトレーラーをつけることによる差はほぼありません。
ボリュームが増すことで、重量のわりに沈もうとする力が弱いので、その分巻き抵抗は軽くなる傾向にあります。それにカバーと絡めることを考えても、ハイギアリールが適していると思います。

僕はすでに紹介した通り、19アンタレスHGと15カルカッタコンクエスト101HGを使っています。
18バンタムMGL HGや20メタニウムHG、16ジリオンSV TW SHや17スティーズA TW SHなど、キャスタビリティと剛性感を兼ね備えたリールが安心っちゃ安心なんですが、ぶっちゃけ安物で問題ありません。手持ちの中で相応しいものを選んでください。
スピナべ単ならDCブレーキやSVがおすすめなんですが、ボリュームベイトは重心が安定しやすいので、ブレーキシステムについてはあまり気にしなくてもいいと思います。
まとめ
ボリュームベイトは重量からイメージするほどの扱いにくさはないので、普段1/2ozクラスのスピナーベイトに使っているタックルを兼用しても何ら問題ないどころか、着水後の操作性や魚の掛けやすさなどを考えると最適だと思います。
ロッド:ファクト HFAC-65M
リール:19アンタレスHG
ライン:フロロカーボン12lb

キャストに不安のある人や、おかっぱりでの汎用性を求める人はやや強めのMHクラスに14lbを合わせると快適に遊べます。
ロッド:スーパースタリオンGT IGTC-71MH
リール:15カルカッタコンクエスト101HG
ライン:フロロカーボン14lb
これならタイフーン1oz+ドライブシャッド4.5インチという激重(56g)スーパーボリュームベイトさえ楽に扱えます。
ご参考にどうぞ。