2018年から怒濤の躍進を見せる藤田京弥プロの活躍で、一躍有名になったギル型ジョイントベイト、ジョイントゾーイ。(1文に躍っていう字が3回も出てくることってある?)
僕も愛用しているこのジョイントゾーイ、通年使えるスーパーなジョイントベイトなんですが、個人的にはとくに晩冬から初秋にかけて、ぶっちぎりの漁獲率を誇るんですよね。
まさにいまこの時がピーク! なのでちょっと入手性の悪いルアーですが、持っていない人は探してみてください。
目次
ジョイントゾーイ
まずは余談から。ぶっちゃけバス釣りというのは、クランクのスピードだから食ったとか、トップウォーターだからダマせたとか、そういうアバウトな状況の違いはあっても、「特定のルアーだから釣れる」という奇跡はふつう、起こりません。
ワイルドハンチで釣れるなら、レベルクランクMIDでも釣れる…ハズです。いやちょっと分が悪いか…? とにかく場所やタイミング、アプローチ、サイズ感、スピード…などの重要な条件を満たしてさえいれば、コンセプトの似た商品同士に大きな差はないと思います。

でもジョイントゾーイは僕の知る限り、横並びとなる製品がないんですよね。冗談抜きでそう思っているので、こいつのコピー…じゃなくてリスペクト品を作ろうとしたこともあります。
とにかく、それだけ欠かせないヤツってーことです。

ジョイントゾーイ釣れすぎワロシュッシュ
なんとなくシークレット感漂うルアー
ジョイントのないオリジナルバージョンもそうなんですが、このゾーイ&ジョイントゾーイは、多方面から「釣れる」といわれるわりに、使い方があまり詳しく紹介されていないので、“なんとなくシークレット感漂うルアー”という地位に甘んじています。
オリジナルゾーイの場合はできることが少ないというか、特化しきっている分、どう使おうか迷うこともないんですが、ジョイントゾーイとなれば話は別。
なまじよく動くもんだから、ほとんどの人はこの動きでバスを釣ろうと考えます。でもそのおかげで僕は、このルアーを買ってからしばらくの間、完全に沈黙させられました。
ジョイントを生かそうとするほど釣れない
ジョイントゾーイを使い込むなかでたどり着いたのは、まさかの本末転倒な結末。「ジョイントを生かそうとするほど釣れない」ルアーだということ。
もちろん賛否あると思います。これが不幸の星の下に生まれ落ちた僕にだけ起こった現象なのかもしれません。
ただ同じように、ジョイントゾーイという釣れ釣れベイトを手にしながら、使い方がわからない、使ってみたけど釣れない、だからとりあえずタックルボックスに入れているだけ…って感じのマヌケは、案外多いんじゃないかと思っています。
そこで今回は、おせっかいな僕が自己流の取り扱い説明をします。あくまでも自己流なので、誰かにとっては刺さるかもしれないし、誰かにとっては鼻で笑われるかもしれないし、誰かにとっては「普通やん」と思われるかもしれません。
真面目に釣れるメソッドしか紹介しないので、興味ある人はこのまま読み進めてください。
ジョイントゾーイの取り扱い説明
ジョイントゾーイはオリジナルのゾーイにジョイントを設けることで、I字系だけでなくS字系のアクションをも可能にしたリアルベイトです。
商品パッケージの説明文にある通り、低速リトリーブではI字アクション、中速~高速リトリーブではS字アクションを、誰でも簡単に入力することができる多芸なルアーなんですよね。
でも実は、この多芸さが扱いを難しくしているような気がします。ジョイントゾーイの使い方がイマイチわからない、使ってみたけど釣れないという人のために、まずは僕がジョイントゾーイでバスを釣るうちに唐突に気づいてしまった、重要な視点を共有しておきます。
見せて、魅せて、口を使わせるリアルベイト
ゾーイやジョイントゾーイは、マジのブルーギルから型取りして作られたそうです。だからどこからどう見ても、まんまギルです。
しっかり魚に見せて、魅せて、口を使わせるリアルベイトだと僕は思っているので、エサとして、または外敵として、バスに認識させるのが基本的な使い方です。
言い換えれば、ハードベイトを使ったフィネスです。
これには反対意見もたくさんあると思いますが、あくまでも僕は、そう考えたうえでこのルアーで釣果を上げています。
リアルベイトとはいえ、きっとバスからすれば違和感の塊だとは思います。なのでヒト視点のリアルさをより引き出してやるというよりは、違和感をごまかしてやるのが、ジョイントゾーイで食わせるコツなんですよね。

食わせの基本はI字
これはある意味、結論です。
ジョイントがあって、やけにクネクネスイスイなまめかしく泳ぐもんだから、これをみて「うわっ!わたしのルアー、リアルすぎ!」と感じる人が多いと思います。でも、一度そう感じてしまうと、ついついこの動きで魚にアピールしたくなってしまうのが、ジョイントベイトの宿命的な弱点だと僕は思っています。これはマジで覚えておいてください。
これがたとえばビッグベイトのようなボリュームルアーであれば、緩急あるアクションでリアクションを取るのはオーソドックスな誘い方です。でも、エサや外敵と認識させることが本懐のリアルベイトにとっては、むしろNGです。
ズバリ言うと、躍動感があって、一見リアルに見えるS字形の動きは、バスにとっては違和感でしかないということです。そんなウキウキした泳ぎ方をするギルはいません。これをヒトに置き換えると、スキップしながら目の前を通り過ぎる、できれば関わりたくないヤツです。
このルアーの強みをもっとも生かす、基本的なアクションは、スローリトリーブで入力するI字系の動きです。フェザーフックやラバー、ブレードなど、I字系でも十分ライブリーな演出ができるパーツが備わっているのはこのためです。通し方、魅せ方にはもちろん状況やフィールドに応じた工夫が必要ですが、ルアー単体の動きで言うと、これは絶対に心得ておきたいポイント。要はS字もできるI字系ルアーなんです。
重要なのは、I字形を入力するリトリーブ速度の上限を把握しておくことです。何度も同じところを通すルアーではないので、これだけは自分のタックルと相談して、体に覚えさせる必要があります。

I字引きにカッ飛んできたヨンジャップ
置いて食わせる、もはやビッグなスモラバ
ジョイントゾーイはバスの通り道や、バスが執着しているスポットに置いておくだけでも釣れます。腹側にフックがないことも幸いして、数あるギルベイトの中ではブッチギリでボトムに置きやすいんですよね。
賛否分かれるネスト撃ちはもちろん、スクールの回遊コースに放置するだけでもバスを惹きつけるパワーがあるので、これが春から夏にかけて真価を発揮する理由のひとつです。
たとえば回遊コースに放置してバスを寄せる場合、ワンアクション入れてバイトに持ち込む「三原メソッド」が有効なケースもあるんですが、経験上、アクションが必要ないケースもかなりあります。
これはゾーイ、ジョイントゾーイ特有のサイドフェザーフック&テールラバーの恩恵で、とくに流れのあるエリア、たとえばバックウォーターなどでは自発的なアクションが期待できるうえに、つつくようなキスバイトもサイドフックが高確率で絡めとります。
なので、アクションを入れた方がいいのかどうかの判断がつかない場合は、わざわざ余計なことをしないのがキモです。ちなみにこれは、オリジナルゾーイよりもジョイントゾーイの方がサイドフックのヒートンが長いため有利です。
また、流れがなく、定位しやすいボトム形状の場合は、ラバージグやスモラバばりの定点シェイクも有効です。この場合、より安定させるためのウェイトチューンを施すのも有効です。
これはブラインドの釣りも例外ではなくて、視界の届かない深さor濁りのあるフィールドでは沈めて巻くよりも、沈めて放置~(シェイク~)回収の動きで十分に誘えます。
S字は奥の手orトドメのワンアクション
中速~高速リトリーブではS字アクションに化けますが、個人的には、これは何をやっても食わないときの奥の手や、サーチベイトとして使うものだと思っています。
スクールの目の前を高速で通過させてリアクションを誘ったり、ボートを流しながらショアラインを高速サーチできたりと便利なのは間違いないですが、そもそもこういう使い方ならもっとハイアピールな(ボリュームのある)ルアーの方が狙った効果が得られやすいんですよね。
てきとうにサーチしてチェイスが得られたら、止めるなり、沈めるなり、ジャークなりでバイトに持ち込めなくもないです。ただ、本当に奥の手なので、この使い方で勝手に釣れてくれるバスは多くないです。

ここまで読むと、「じゃあ何のためのジョイントだよ…」と思う人も少なくないと思います。
ジョイントはブレーキです
僕は、ジョイントはアクションを入力したときに作動するブレーキだと思ってジョイントゾーイを使っています。
「S字やらないならオリジナルのゾーイでいいやん」という声が聞こえてきそうです。でもそれは大間違いで、ジョイントがあるからこそ、見せて魅せるリアルベイトとしての強みが生かせるんですよね。
移動させたくない釣りに
I字引きだけなら、オリジナルのゾーイの方が簡単に、しかも高速域まで対応することができます。ただ、デッドスローのI字引きや、ボトムシェイク、ボトムを小突くようなアクション、I字引きからのトメ、置きたい場所に置く…などなど、移動距離をおさえたい、または移動させたくないアクションを入力した際、動きすぎてしまうのがオリジナルのゾーイです。
一方で、ジョイントがある分抵抗となって、レスポンスが鈍いのがジョイントゾーイということです。
これはオリジナルゾーイに比べ、とくにボトムを絡めた釣りに、ケタ違いに向いていると感じているポイントなんですよね。動かさずにシェイク…これが簡単にできるのは、ジョイントがあるおかげです。
ゾーイ、ジョイントゾーイは見せるだけで釣れる、置いてるだけで釣れるルアーなんですが、ルアーを見に来たバスに対して、最後のワンアクションが必要なケースもあります。そんなときも、スライド系のジャークになりがちなゾーイに比べて、ターン系アクションに変換されるジョイントゾーイの方が移動距離を抑えられるので、「動かし過ぎて射程外に出てしまう」というありがちなミスを防いでくれます。

鼻先クイックターンでゴジャップ
逆に、大きく動かしたいジャークで使うなら、オリジナルのゾーイです。最初になんとなく持っていたイメージとは裏腹に、ジョイントのないゾーイの方が強いアクションが出せます。めっちゃ使い分けが効くので、どちらも買っておきましょう。
解説動画
ここまでですでに4400字も書いてしまったので、嫌々読み進めた人には大変申し訳ないんですが、ブログを読まなくてもいいように動画を作成しました。
もう手遅れかもしれませんが、ブログよりも詳しく解説しているので、ぜひ見てください。笑
まとめ
というわけで僕が愛用するリアルギルベイト、ジョイントゾーイを紹介しました。
いま(2020年5月)全国的に品薄のようで、小売店ではなかなか買えないと思いますが、実は公式ホームページで購入できるんですよね。ここで買ってもらっても、僕にはなんのメリットもありませんが、使ってみたいという人はぜひトライしてみてください!