Google Trendsで見ると、パワーフィネスに関心を持つ人は2017年から急激に増えてきていている様子。それに伴ってこの釣りの大まかな方向性を理解する人は増えてきているだろうし、実際に必要性を感じて導入に至った人も多いと思います。
それでもパワーフィネスはまだまだ未熟なジャンル。これと言った鉄板タックルがなく、ロッドにしろリールにしろラインにしろ、まだまだ試行錯誤の段階。悩みのタネとなっているのではないでしょうか。
今回はそんなパワーフィネスに最適なリールを考察します!
目次
パワーフィネスにおけるリールの役割
これまで鳴りを潜めてきたパワーフィネスには、ベイトフィネスリールのような専用リールはありません。まあそれもそのはずで、対応するリールでないとキャストさえままならないベイトフィネスとは違い、パワーフィネスにはリールに対する制約はありません。以前、一般的なタックル構成については書きましたが、パワーフィネスにおいてリールは単なる糸巻き器。パワーフィネスリールなんて名のつくリールは存在しないわけです。
で、結論から言うと「なんでもいいじゃん」で済ませられる話なのですが、やっぱりより良い道具があるならそれを使用したいところですよね。
パワーフィネスを快適にするスペックとは
パワーフィネスをやり始めて14ステラ2500HGS→14ステラ2500S→16ヴァンキッシュ2500HGSと使用してきましたが、いまだにベストとは言えないんですよね。次に試すリールもすでに決めていて、きっと不満を解消できるだろうと期待しています。
18ステラC3000XGを購入し、すべての不満が解消されました。笑
というわけで、パワーフィネス用のリールにはどんな特性があるとよいのか。僕が1年間、パワーフィネスをやり続けて「これは…!?」と感じたのが、だいたい重要な順に以下の4点。
- ドラグが強い
- 巻き上げスピードが早い
- PEライン1.5号が75〜100m巻ける
- ローターが高剛性
ドラグが強い
パワーフィネスを始めたばかりのころはビビリ症で、思い切りフッキングをした際わずかにドラグが滑るように設定していましたが、これが全然ダメ。基本的にカバーを超えてアプローチするパワーフィネスでは、フッキング後に魚を遊ばせている余裕がまったくないので、ドラグはライン強度の手前までガッチガチに締めこむのがマストです。バスごときの引きにドラグの強さが問題になることは通常ありませんが、枝の1本や2本が絡んだ状態なら話は別。
最低でも4kg、できれば6kg程度まで(MAXでなく実用数値で)締めこめるドラグが好ましいのですが、バス向けの番手では6kgを受けれるリールはなかなかないですね。
巻き上げスピードが早い
次にギア比ですが、高ければ高いほどいい、つまり巻き上げスピードが早ければ早いほどいいというのが僕の考えです。14ステラ2500HGSで始めたパワーフィネスですが、当時合わせていたロッドがミディアムライトパワー(MLクラス)で、カバー奥で掛けた魚を剥がすにはロッドパワーも巻き上げ力も足りていませんでした。それならノーマルギアでどうだ、と14ステラ2500Sを購入しましたが、ギア比が下がったところで巻き上げ力には限界があり、「パワーフィネスで魚を寄せるのはロッドの仕事」ということに気がつきました。
確かにロッドを曲げたままリーリングするにはノーマルギアの方が向いていますが、それでもわずかにマシという程度で、ベイトタックルのようにゴリゴリ巻いて寄せることは不可能という結論に至ったわけです。となれば、ラインスラックの回収と手返しに分があるハイギアモデルの方が絶対にいい。それ以上に早いリールがあればそちらを、ということで、パワーフィネス専用として考えるのであればエクストラハイギアモデルを推奨します。
PEライン1.5号が75〜100m巻ける
通常、パワーフィネスで最も使用するPEラインは1.5〜2号。僕の場合、今は1.5号に落ち着いていますが、これを最低75m、できれば100mほど巻けるスプールが、案外なかなかないんです。
バス釣りで最も多用されるのは2500番の浅溝スプールモデル(2500HGS、2500S)だと思います。僕も16ヴァンキッシュ2500HGSを使用していますが、これには1.5号のPEラインが75mは巻けても100mは巻けない。かと言って深溝となれば、下巻きが大量に必要だし、それ以前に2500番からは深溝の設定が抹消されつつあります。そもそも深溝スプールって誰も使わないですもんね。
目安としてはフロロカーボンライン6lbが100m巻けるスプール。これなら1.5号のPEラインが100m近く巻けますね。
ローターが高剛性
ボディの剛性をとても気にする人がいますが、ミドルクラス以上のリールであれば樹脂製であろうが金属製であろうが特に問題ないと思います。構造上、ボディには極端な負荷がかからないので。
問題は、ローター部分の剛性。キロフィッシュをカバーを乗り越えて引きずり出すようなシチュエーションでは、大げさでもなんでもなく、ローターが歪みます。ローターが歪むと面白いようにハンドルがロックされてしまい、まったく巻けない状態になるので、ローターの強度はある程度必要です。まあ、歪んだからといって壊れるわけではないんですけどね。
14ステラから16ヴァンキッシュに変えて差を感じたのはこの部分で、多少重くてもローターだけはしっかり金属製の方がいいと思っています。でもおそらくボディが樹脂でローターが金属、なんてチグハグな機種はないはずなので、ローターが金属ならボディも金属。やっぱりやや重たいリールになってしまいますね。
とは言え16ヴァンキッシュも十分に使えているので、剛性と軽さは好みでどちらかに振ってもいいと思います。
まとめ
これだけわずかな要件でも、すべてを満たすリールっていうのはなかなかないわけで。とにかく始めたい!という人にはセルテート2506Hやツインパワー2500HGS。メタルフレームのハイギアモデルをオススメします。これなら不自由することなくパワーフィネスを楽しめるかと思います。