カバークランクは僕の大好きな釣りで、mibro Furyやダイワ RPMクランク(廃盤)を主力に結構な数の魚を釣らせてもらっています。
だからカバークランキング向け、といわれているクランクベイトは片っ端から試しているのですが、これまで食わず嫌いだったのがdeps(デプス)のEVOKE 1.2。
カバークランクといえば?という質問に対し、即答で「イヴォーク!」と答える人は相当いると思いますがデプスというブランドにいまいち入信できなかったのが致命的でした。
で、この度、インプレ用にと思って1つだけ購入し、淀川城北ワンドで一日中マキマキしてみたんですが、魚を掛けることなく見事にロストしました。→その後、ブログを書くためにわざわざ買ってきましたよ。だって持っていないものをレビューするブログなんて、とんでもないでしょう?

失くした分だけ買っていくStyleでEVOKE 1.2ブルーバックチャートが不死鳥のごとく復活
さらに言うと、回収しようと思って滑り込ませたダイワ ルアーキャッチャーまでロスト。あのな、いい加減にしろよ!
とにかく短命で散ってしまったわけなんですが、それでも「これは買いだな」と思わせてくれるほど優秀なカバークランクだということが判明したので、ここに思い出を綴ります。
deps EVOKE 1.2
キムケンこと木村建太氏プロデュースのEVOKE。
『釣りの効率を上げる“道具”でなくてはならない』というコンセプトから生まれた対ヘビーカバークランクベイトです。
カバー回避後にあえてヒラを打たせず、すぐに起き上がる直進性の高さ、またアクションのピッチを限界まで早くすることを目指し幾多のトライ&エラーを繰り返すことで当初のイメージを超えた“獲るための道具”へと進化させました。キャストが許されないような狭い水路でのピッチングによるアプローチ、小さなブッシュやレイダウン、ベジテーションから離れたがらないストライクゾーンの狭いバスをターゲットに、今までジグやテキサスの独壇場と思われたスポットですら、クランクベイトのステージへと変えてしまう可能性を、このクランクベイトは秘めています。
潜行深度とボディサイズ違いでEVOKE 1.2、EVOKE 2.0と2モデルのラインナップですが、今回はオリジナルサイズの1.2を使用しました。
カバークランクに求められる性能とは
カバークランク向けに開発されたクランクベイトの基本的な特徴は、高浮力かつスクエアリップということ。これがワイドウォブルアクションを生み、左右に大きくウォブリングすることで「ボディーがフックの盾になる状態」を作り出すわけ。
これによってウィードが絡まなかったり、枝に引っかからなかったりっていう嘘のような本当の話。僕も最初は半信半疑でしたが、マジで生存能力が高い。
またスクエアリップはカバーやストラクチャーをリップのエッジが叩くことでヒラを打ち、スタック回避性能にも貢献します。ところが、こうした回避性能を意識的に高めれば高めるほど跳ねるようなアクションになり、大きくコースを外してしまいがち。
そのせいで跳ねた先の別なストラクチャーにフックを取られたり、スタックしたりということが起こりかねないので、いくら耐カバー性が高いクランクベイトだからといって根掛かりと無縁というわけではないんです。
僕がクランクベイトを選ぶ際に注目するのは回避性能と直進性のバランスで、主にウッドカバーをしっかり回避しつつ、コースを外さないことを重要視しています。
その点、mibroのフューリーやダイワのRPMクランクは優秀で、回避はするけどコースは外さない。フックサイズを上げても問題ないほどよくできていて、溺愛しています。
mibro バレットヘッドやバークレー DEXクランクのようなコフィンリップ(セミコフィンリップ)はスクエアリップに比べてカバーやストラクチャーへの追従性が高く、ヒラ打ちは小さめ。その反面、直進性は高いんですが、ウッド系カバーにはフックを取られやすいので、どちらかというとボトムに当てる使い方が主になります。
実際、回避性能と直進性を両立したクランクベイトってなかなかなくて、奇跡の産物といってもいいぐらいなんですよ。
直進性がピカイチなEVOKE 1.2
「猪突猛進、カバークランク。」というキャッチコピーが示す通り、EVOKE 1.2は非常に高い直進性を実現しています。
ここでいう直進性というのは、当たり前ですが、回避性能を保った状態で、なおかつ暴れすぎない=コースを外さない性能のこと。一日中キャストを繰り返した感じでは、文句なく太鼓判といったところです。
何がそうさせるのかと考えながら巻いていて気づいたのは、フューリーやRPMクランクに比べて浮力が控えめであることと、ウォブルアクションがハイピッチかつナロー(狭い)ということです。
フラットサイドクランクのような、とまで言うと言いすぎなのですが、水を噛むのが速いというか、ボトムノックした後に軌道を戻すレスポンスが非常に速い。
実はずんぐり系の高浮力カバークランクは、ヒラを打って機動を戻す際に水を噛むのが遅れ、スラロームのように大きく蛇行することがしばしばあるんですよね。
というかこの不規則な動きこそが通常、クランクベイト特有の食わせのタイミングだったりするんですが、コースを外れることが致命的な根掛かりに直結するようなタイトなカバーを通す際には、EVOKEのようにイレギュラーな動きをしないクランクベイトが頼りになります。
EVOKE 1.2のここがダメ
複雑なカバーをすり抜ける性能に特化したと言ってもいいEVOKE 1.2。それはそれでいいのですが、底物として使用する際には注意が必要です。
なぜかというと、リップが薄い。薄すぎる!
どのくらい薄いかというと、エッジを爪で押すとフニャっと曲がる感じさえするぐらい。
そもそもスクエアリップのクランクベイト自体、向いているとはいえない使い方なのですが、ハードボトムをがりがりボトムノックするような使い方では魚を掛ける前にリップがイカレます。
琵琶湖のようなフィールドでは全く問題ないのですが、コンクリートの入った人工池沼、ダム湖、水路など、ボトムマテリアルの攻撃力が高いエリアではあまり使わない方がいいかもしれません。
実際、今回インプレのために行った淀川城北ワンドは、コンクリート護岸が入っているのですが、数投でリップの形が変わりました。
泳ぎにはそれほど影響がなかったのですが、リップはカバークランクの生命線。肝心の得意なカバーを通す際、リップが消耗したクランクを投げるとあっという間にスタックしてしまうかもしれません。
何事も適材適所ということですね。
まとめ
直進性が高く、ウッドやウィードなど、入り組んだ複合カバーにめっぽう強いEVOKE 1.2。
これまで食わず嫌いしていたのを後悔するぐらい、使い勝手のいいカバークランクだと思います。