1.2~2号程度の超強力なPEラインが必須のパワーフィネス。
バス釣りこそ我が人生!と一筋でやってきた人にとって、ナイロンラインやフロロカーボンラインほど馴染みがないのは当然ですよね。
ソルトルアーでは古くから当然に使用されてきましたが、あのシーバスでさえ通常使用するのは0.6~1.2号とまあまあ細いわけで、1.5号や2号なんてそこそこの青物が普通に獲れる強度ですよ。
僕の場合、明石や鳴門のジギングでようやく1.2号を巻くので、ソルトルアーマンならなおさらバスごときに2号だと?と感じるかもしれませんね。はい、僕もそう思ってました。
それでもまあラインとカバーとが常に接触していると言っても過言ではないパワーフィネスでは、大げさでなく太PEラインが必要なんですよね。
ただしラインはロッドやリールに比べて選択肢が非常に多く、なかなかコレ!というチョイスがしにくいと思います。
そこで今回は、パワーフィネスを始めたての人や、これから始めようという人におすすめのPEラインをシェアします。
目次
PEラインの特徴
それぐらい知ってるわ!って人も多いと思いますが、PEラインの特徴をおさらいします。
- マルチフィラメント(多繊維構造)
- 低比重
- 低伸度
- 低弾性
- 高耐久
こうした特徴からやれ感度がいいだとかやれ巻き癖が付かないだとかPEラインの性格が決まるわけ。
ところが一般的に言われているメリットがすべてパワーフィネスに通用するかといえば、全然そんなことはありません。
また本来はデメリットとされていることが逆にメリットだったりするんですよね。
マルチフィラメントということ
ナイロンラインやフロロカーボンラインが単繊維構造なのに対して、PEラインはブレイデッドライン(編み糸)とも言い、ポリエチレンの極細繊維を編み込んだヒモとかロープのような構造だというのは一番よく知られている特徴だと思います。
4本編みだ8本編みだと多種ありますが難しいことは考えず、編み糸なんだから引張強度は高い、これでOK。
素材はポリエチレンという炭素と水素からなる繊維ですが、性質上無色透明のものは作れないので基本的には有色です。
頑張って無色透明にしようとしても白濁するんで、やけくそみたいにカラフルにした製品が多いですね。
有色ラインは視認性良好
釣り糸は無色透明に近ければ近いほど有利と感じがちですが、ビビッドな染色を施した製品は1周回って視認性がいいとも言えます。
特にパワーフィネスではブッシュの中にルアーを投げ入れたり、枝にラインを引っ掛けてルアーをちょうちん状に吊り下げたりと、視認性の悪いラインではルアーを見失ってしまうケースもあるので、目で追いやすいカラーを選択するのがいいですね。
逆にルアーの色を派手にして視認性を確保するのもアリですが、グリパン使いたいとき、ちゃんと我慢できんのか?
魚に見切られんじゃないの?と思われがちですが、基本的に表層~中層にかけてを得意とするパワーフィネスではあまり気にしなくていいんじゃないですかね。
というのも、水中から水面を見上げると銀色の世界だとか白一色だとか言われていますよね。それに溶け込む明るい色なら見えないわけではないけど見切られにくいと思います。
実際に表層~中層の釣りでラインの色によって食いが違うな~と感じたことはないです。カバーも絡みますしね。
一方でルアーを沈める場合には注意が必要で、明るい色だと水底とのコントラストが強く、見切られやすいかもしれません。
そんな時はショックリーダーを組めばOKですが、そもそも底を取るシチュエーションがあまり思い浮かびませんね~。
低比重ということ
淡水の比重=1.0に対して、ナイロンは種類によって1.14前後、フロロカーボンは1.78、ポリエチレン(PE)は0.97。PEラインは水よりも低比重のため、それ単体では水に浮きます。
表層から順にアクションさせていくシチュエーションが非常に多いので、この特性はどちらかというとメリットです。
フローティングルアーという選択も
フロッグや虫系ソフトベイトなどラインが沈まない方が都合のいいフローティングルアーが扱いやすいのも、PEラインを用いたパワーフィネスの利点ですね。
横風にめっぽう弱い
当然メリットばかりではなくて、ラインそのものの重量が軽いことと使用するルアーも比較的ライトであることから、強風時には本当に釣りにならない。
どうしてもパワーフィネスを使用したいときは、近年増えてきた高比重PEラインを使用したりルアーウェイトを重くするなどの調整が必要です。
低伸度ということ
もちろん太さによりますが、ナイロンなんか30%ほど伸びるし、フロロカーボンもそれほどではないにしろ伸びまくります。
一方でPEラインはほぼ伸びない。これはこれで、メリット・デメリットがあるんですよね。
食いしろが少ない
一般的に「バイトをはじく」と表現される現象。
ラインの伸度が低いこととロッドの硬さが悪さをして、魚の吸い込む力に対しルアーを口の中へと送り込めないわけ。
ラインをピンと張っている状態であれば何度となく経験することになりますが、断続的に糸ふけを作ることと、なるべく表層で釣ることで解決できます。これについてはまた別項で。
感度がいいのか?
低伸度イコール高感度というのは物性上の事実なんですけど、パワーフィネスとはほぼ無関係。
なんせ糸電話と同じ理屈で、ラインがピンと張っていなければ感度なんて無いに等しいわけですからね。
ピンピンに張っているなんてことはほぼないのだから、アタリは基本的にラインを見てとることになります。
低弾性ということ
つまりコシやハリってのがまったくないわけなんですけど、これがバサーに敬遠される最大の理由だと思います。
巻き癖が付かず、飛距離が出る
どう考えてもメリットですよね、これは。ボートでは飛距離が問われることは少ないのですが、オカッパリなら話は別。
ベイトタックルでは到底届かないフローティングカバーやオーバーハングが撃てるメリットは計り知れんでしょう。
ちなみに飛距離はPEラインの号数にだいたい反比例します。1.5号と0.8号ではマジに倍ほど飛距離が変わりますよ。
とにかく絡まる
雑に扱えば取り返しのつかないほど絡まるPEライン。
ルアーに直結の場合、フックや枝にクルリといけばたちまち数分間身動きが取れなくなります。
ショックリーダーを組めばだいぶマシになりますが、それもまた一長一短なので解決策としては甘いよな。
フリッピングスタイルの場合はハンドルやローターにもクルッといってしまうことがあるので、扱いには十分注意したいところ。
高耐久ということ
モノフィラメントラインよりも圧倒的に長持ちするとうわさのPEライン。
それもそのはずで、吸水率が極めて低い(というかほとんど吸水しない)うえに紫外線にも強い。
でも高耐久というのはモノフィラメントラインと同じ使い方をすれば比較的〜という話で、フィネスからは程遠いパワーフィネスではガンガンに消耗します。本当に。
マッハで毛羽立つ
PEラインは多繊維構造なので、繊維1本当たりの太さはモノフィラメントラインよりもはるかに細いわけです。
その細い繊維にほんの少しでも傷がつけばたちまちゴミのように切れてしまうので、金属や石などエッジの効いたストラクチャーはとにかく苦手。
植物系のカバーにはめっぽう強いのですが、擦れるたびに消耗するのは避けられない。
またバスのヤスリ状の歯もなかなかのダメージを与えてきます。
数本釣りあげたらルアー結束部付近のラインが一回り細くなってるなんてこともしばしば。
何度も言いますが、ラインとカバーとが常に接触していると言っても過言ではないパワーフィネスでは、太いPEラインがマストなんですよ。
これなら間違いない!おすすめPEライン
どう考えても投稿を2度に分けた方がよかったと思うぐらい前置きが長くなりましたが、ようやくオススメPEラインの紹介です。
あっ、もちろん実際に使ったことのあるものしか書けないので、もっといいのあるよ!って意見があればコメント欄ででも教えてください。すぐに試します。
ソルティメイト キャストアウェイPE
サンラインから発売されているPEライン。
主素材のポリエチレンに加えて、より比重の高い(1.38)ポリエステルモノフィラメントを編み込んだ8本編みラインだそうで、トータルでの比重が1.05と通常(0.97)よりもやや高く仕上がっています。
ほんのわずかですが、この差が風の影響を和らげてくれるんじゃないかと考えて、ここ1年間は妄信的に使い続けています。あっ、比重1.05でも水には浮きますからね。表面張力で。
8本編みのPEラインはスルスルとした触り心地のものが多いですが、これは異素材を編み込んでいることもあってザラザラしています。どういうわけか、なかなか毛羽立たないので長く使えますね。
カラーはパールブルー、つまり水色。視認性がよく表層では悟られにくいカラーだと思いますが、汚い水で使うと一瞬で泥色になります。
25lbクラスは150m巻き、200m巻きとラインナップされていて、どちらも実売価格2,500円前後でまずまず安い。
一番のオススメPEライン。

パールブルーは視認性はいいが汚れやすい
ソラローム ルアーPE
天下の東レ様が手掛けるPEライン。
まず実売価格が1,000円前後と、どこで買ってもとにかく安い。安いということしか印象にないPEライン。
ところが75m巻きなので実際には爆安というほどでもない。
ベースカラーはグレーで視認性はどちらかというと悪い。
90cmごとに入っているホワイトのマーキングが目立つので見失うようなことはないけど、ソルトルアーでよく使用するカラフルなPEラインのように「あー今のは○○m飛んだな」とはならないんだから全部ホワイトでよかったのでは?
ただまあ、グレー&ホワイトというのはリールに巻いてあるとクールなので、それだけでも選ぶ価値があると思いますね。
ソルティメイト キャストアウェイPEよりも柔らかく、ティッシュのような質感で毛羽立つのがやや早い印象ですね。

グレー&ホワイトのカラーがクール
HARDCORE X4
小売店のラインコーナーに行くと、だいたいこのラインが足元のカゴで価格破壊を起こしているデュエルのハードコアエックスフォー。
150m巻きが1,000円ちょいで買えてしまうので、頻繁にラインを巻き替えるパワーフィネスでは大アリな選択だと思います。
とにかく何の特徴もないただのPEライン。
でもカラーラインナップが秀逸で、150m巻きにはイエロー、200m巻きにはグリーンとオレンジという視認性抜群のカラーがあるので、好みの人にはおすすめできます。

視認性抜群のイエロー

グリーンもいいですね~
まとめ
今回は僕が実際に使用してきたPEラインの中からオススメの製品だけを紹介しました。今後もどんどん新製品が出ると思うので、気になる製品はまた別の機会にレビューしたいと思います!