フィネスな釣り=繊細な釣りということなら、僕が愛するテキサスやフットボールなどの底物、果てはビッグベイトまでフィネスだろ!とは思いますが、ここでいうフィネスは「ライトリグを用いた釣り」という意味。
最近の僕はテキサスとフットボールを主体に釣り進めることが大半ですが、最後の最後、どうしようもなくなった時に頼りたくなるのがライトライン+ライトリグのウルトラフィネス。
これまでは、リールはともかくコレといったロッドを持ち合わせていなかったので、正直あまりやりたくなかったというのが本音。
でも今後予定している津風呂ダム、比奈地ダムなどクリアウォーターでの釣行を考えると無視できない戦力になるので、練習のためにと気張ってロッドを購入しました。
それが今回紹介するヘラクレスファクトHFAS-61ULST。(またかよ!)

HFAS-61ULSTが仲間に加わった!
目次
増え続ける事実=FACT
真面目な話、福島健氏のファンでもなんでもなく、かつエバーグリーンというメーカーにまったく思い入れがないにも関わらず、ここまでファクトが増え続けるとは思ってもみませんでした。

ファクツ
ただ、長い間使ってきたHFAC-511MHST、立て続けに購入したHFAC-67MHSTとHFAC-70HSTのインパクトが強すぎて、「ロッドを買おう」でまず候補に挙がるのがファクトシリーズになってしまっています。
そうなると、最初に触ったものを最高だと勘違いしてしまうヒヨコのような性質が発揮され、そのまま購入という流れは自分の意思では止められません…。誰か止めてくれ!
FACT HFAS-61ULST
というわけで購入したのがこれ。言うまでもなくソリッドティップ採用のウルトラライトスピン。まずはスペックなんですけど、数字だけ見ていると何の変哲もないULクラスに思えます。
全長 | 1.86m | 継数 | 1 |
---|---|---|---|
標準自重 | 91g | パワー | ウルトラライト |
ルアー範囲 | 0.9~5g(1/32~3/16) | ライン範囲 | 2~5lb |
価格 | 59,000円(税別) |
これはファクトシリーズ共通で、スペックシートからはまったく個性が伝わってこない。ところが真面目な話、唯一無二と言ってもいいぐらい尖りきったフィネススピンなんですよ。

一体何が尖っているのか
エクストラファーストテーパー
エクストラファーストテーパー=めっちゃ先調子。実際に使ったことのあるロッドの中ではぶっちぎりの先調子で、「やや長めのソリッドティップ部分だけが曲がる」と言っても言い過ぎではないほど。チューブラー部分はガチガチのパッツンパッツンで、UL=ウルトラライトなのはティップのみ。

超繊細なソリッドティップを採用
同じくソリッドティップ搭載のスピニングモデルにはHFAS-64XULST、HFAS-65ULSTがあって、この2機種も先調子なんですがHFAS-61ULSTに比べるとややレギュラー。とにかくHFAS-61ULSTはシリーズ中、バリバリのレーシングモデルという印象が強いです。
硬さの違いで不自然になりがちなチューブラーベリー部との継目を感じさせない美しいベンドカーブを実現するために、先と元でテーパーを変えたソリッドをティップ部に採用。
とありますが、ベンドカーブはぶっちゃけ不自然です。これはHFAS-61ULSTに限ったことではなくて、愛用している他のファクトももれなくぎこちなく曲がります。ソリッド継いでるな~って一目でわかります。
でもね、これがイイんですよ。ベンドカーブの美しさにこだわる人がいますが、それって必要ですか?パラボリックに曲がることは、操作系の釣りではデメリットしかないですよ。
ティップだけが極端に入ってベリーで止まるテーパーは操作系の釣りをやるうえで理想的だと考えていて、個人的にかなり好みです。
ベリーで止まる
これはこれまで使ってきたファクトシリーズ、特に操作系スペシャルのHFAC-67MHST、HFAC-70HSTにも言えることですが、「ベリーで止まる」ことでメリハリの効いたアクションが仕掛けやすいです。
底物にしろウルトラフィネスにしろ「イメージ通りに動かす」ことがアクションのキモであり、釣り人のモチベーションを維持する大切な要素です。
ブリブリの巻き物や迫力あるビッグベイトでなく、地味な釣りを好んでやるのは「操作して食わせる」のが面白いからという人も少なくないと思います。
でも実際には、イメージ通りにルアーを操作するのは難しくて、なかなか思うように釣れない。これはたいていの場合、想像以上に動かし過ぎているのだと僕は考えています。
操作のダイレクト感が強いロッドは扱いやすい反面、必要以上に動力をアウトプットしてしまいがちですが、それをちょうどいい塩梅に調整してくれるのが、ファクトシリーズのソリッドティップ。
ブレーキとしてのソリッドティップ
食い込みの良さばかりが注目されがちなソリッドティップですが、正直言うと、その恩恵を感じたことはあまりないです。ラインをピンピンに張る釣りをしているなら感じられるかもしれませんが、「ソリッドだから弾かない」だとか、「魚に違和感を与えない」なんてのもおまじないレベルの戯言だと思っています。
そんなことよりも、ソリッドティップの特性が生きてくるのは絶対にルアー操作時です。
絶妙に入り込んでくれるティップは、ロッドワークをいい具合に和らげてくれる緩衝剤の役割をします。通常「動かし過ぎ」になりがちなアクションを、イメージ通りのアクションに変換してくれます。
音楽をやっている人ならコンプレッサーだとか、ノーマライザーだとかいう言葉を聞いたことがあるかと思いますが、まさにそんな効果が期待できるのがソリッドティップです。
適合ルアー
使いたのはライトリグ全般。さっそく京都府世木ダムへ行く機会があったので、いろいろ試してみましたが、中でもクイックな操作が生きるリグとの相性が抜群にいい印象で、スモラバやノーシンカーリグ(ワッキー含む)、ネコリグが驚くほど使いやすかった。
ダウンショットもやりましたが、長とダルさのあるHFAS-65ULSTなんかのほうが使いやすいと思います。あくまでも個人的には、ですけどね。
スモラバ
スモラバとの相性は最高と言ってよく、3インチまでのピンテールやシュリンプ系のトレーラーを前提に、MAX1.8gぐらいまでが快適に扱えます。特にC-4ジグ+C-4シュリンプ2.8の組み合わせは言うまでもなく極上の定番。
ロッド全体を曲げてキャストすることはできないので、ティップに重さを乗せてコンパクトな動作でリグを送り込みます。その都合上、リグの総重量が5gを超えるとかなりキワどくなってきます。また通常、あまり飛距離の出ない投げ方ですが、ロッド全体の収束が早く、ラインの抜けがいいため必要十分に飛びます。
ティップがラインの重さを受けてサスペンションとなってくれるおかげで、定速のスイミングが驚くほどやりやすい。さらに言うと、ノー感じになりにくく、ブラインドの場合も巻き抵抗によってレンジが把握しやすい。
硬いベリーでしっかり止まるため、トゥイッチでボトムをクイックに這わせるようなアクションもつけやすく、何度も言うようにティップがブレーキとなって必要以上に動かさない。この釣りにスタックからの根掛かりはつきものですが、「外せる段階で止まる」のはソフトティップならでは。文句なく100点の使い心地だと思います。
ノーシンカー
ひとことで言っても色んなバリエーションがありますが、今回試したのは5.5インチまでのストレートワームのノーシンカーワッキーと、リアル系ワームのいわゆるピュンリグ。
ノーシンカーワッキーはドライブクローラー4.5と5.5を試しましたが、4.5(約4.2g)はかなり扱いやすく、5.5(約5.9g)はキャスト時にややモタレが気になるものの操作感は上々。常用するなら4.5までという感じ。フックはモスキート#1、フォグショットTC#2、フィネスワッキーガード#2。
ピュンリグは元祖ジャスターフィッシュ3.5、ラストエース75。いずれも超軽量リグですが投げやすく、アクションもつけやすい。特に連続トゥイッチがキモとなるこのリグは、適度にアクションを殺してくれるソリッドティップが最高にマッチ。移動距離を抑えながらも鋭いヒラ打ちが可能です。
フックはフォグショットTC#2がウェイトバランス良好ですね。

ラストエースがこれほど扱いやすいロッドはない
ネコリグ
ドライブクローラー4.5にバザーズワームシンカーTGネイル1/64oz(約0.45g)、1/32oz(約0.9g)でそれぞれチェック。問題なし。
移動距離を抑えつつアクションさせられるのは当然のことながら、底質が手に取るようにわかる。40t高弾性カーボン採用による反響感度の高さがもっとも生かせるリグ。
フックはモスキート#1、フォグショットTC#2、フィネスワッキーガード#2。
セッティング
かなりレーシーなロッドなので、セッティングにもやや気を使います。はじめは何も考えずに16ヴァンキッシュ2500HGS+シューター・FCスナイパー4lbを合わせてみたんですが、ラストエースをはじめとしたウルトラライトリグのキャスト性能が著しく悪かったので、リール・ラインともに番手を落として改善。

正直、2500番台のリールでさえ持て余す
とりあえず、現在のセッティング。
ロッド:ファクト HFAS-61ULST
リール:17ヴァンキッシュFW 1000SHG
ライン:シーガーR18フロロリミテッド 3lb

17ヴァンキッシュFW 1000SHGがやけにしっくりくる
意外なところで久々に登板した17ヴァンキッシュFW 1000SHG。無駄遣いにならなくて本当によかった。
まとめ
そんなこんなで新たに仲間に加わったウルトラフィネス・ファクトHFAS-61ULST。
これからは抑えピッチャーとして使い込んでいこうと思います。