発売からずいぶん経ちましたが、見事に転売の餌食にあってますね~。レベルクランクゴリラ―。ヤフオクだとだいたい2800円ぐらいで取引されています。いやーマジでびっくりです。
僕の考えでは、転売で利益が出るならどんどんやるべきだと思います。でもさ、定価がいくらか知らんけど、2000円ぐらい出して仕入れた商品を、わずか2800円やそこらで転売するのってどうなん? 利益率たったの28.5%ですよ? …「商品仕入れ」という観点で見れば普通にありだよね。笑
でも、いいかお前ら。レベルクランクゴリラ―はたしかに使える! 素晴らしいクランクベイトだと思う! それだけはガチ!
でも2800円も出して買うモンじゃーないですよ。せいぜい2000円です。地元じゃ売ってない? コレクション? じゃあ好きにして。

というわけで、今回はレベルクランクゴリラ―の紹介記事です。流通在庫がぜんぜんないせいで、アフィリエイトにもつながらない100%慈善事業で書いています。
でも安心してください。ちゃんと実釣したうえでインプレしますから。
レベルクランクゴリラ―

レイドジャパン、レベルクランクゴリラ―
スペックやカラバリをここで紹介してもしょうがないので、気になる人は公式ホームページを見てください。
発売直後に購入して以来、ボート、おかっぱり問わずに巻き倒しました。
早くも結論になるんですが、僕が普段ヘビーローテーションしているクランクベイトたちと比較して、「排他的な魅力があるのか?」というと答えはノーです。
あくまでも僕個人の意見です。レイドファンの方、気を悪くしないでください。
レベルクランクゴリラ―は、とくにこれといって尖った特徴のあるクランクベイトではありません。
ですが、こいつを巻き倒す理由は、実はこの部分にあります。
なんの特徴もないフルサイズクランクって貴重だよね
僕は1/2oz以上1oz未満のクランクベイトをフルサイズクランクと呼んでいます。平たく言えば、ラインナップの大部分を占める3/8oz前後のジャパニーズクランクとは一線を画す“デカくて重いクランクベイト”のことです。

そもそも、ジャパニーズクランクに5/8oz程度のクランクベイトって少ないんですよ。タイニーなセコいやつがたくさんあって、フルサイズを飛び越してマグナムクランクがずらり。

普通、クランクを巻きたくなる状況というのは、どうしても「小さくて速いルアー」で釣りやすい状況の方が圧倒的に多いです。とくに1.5m程度までのシャローエリアともなれば、魚が執着するスポットがわかりやすいので、小さくて速いクランクで直撃しやすいし、回収速度がダンチなのでコースを刻みやすいという利点が手返しにモロに影響します。
なんせクランクはサーチベイトではありません。食いそうなところを、食うまで巻き通すルアーです。だからこそ、小さく速くとなるのも無理ありません。実際釣れるし。
でも「デカくて速い」がハマるシチュエーションも、それなりにあるんですよね~。そのデカさというのが、マグナム級ではなくていわゆる普通のデカさ。目安は1oz未満。
マグナムまでいくとそれは「ごく当たり前のクランキングの、延長線上にある釣り」を逸脱します。だいたい感じわかってくれますか?
デカくて重い、そして速いがハマるシチュエーションに、シャローで使えるクランクベイト
2大ファストムービングルアーの巻き分けについて書いた記事でも触れましたが、僕の中では、クランクベイトは持ち前のボリュームを生かして水を押し、魚の側線を叩いて振り向かせるルアーです。
もっと言うと、視覚や聴覚に依存していない状態にある魚、つまり特定のスポットに執着している魚を釣るためのルアーなので、それがシャローレンジであれば濁りやカバー、地形変化など、魚を留める要因に注目して巻き通します。
視覚で知覚させるのが目的ではないので、中途半端に反応させない(無意味に追わせない)ことに留意しつつ、怪しいスポットを刻んで巻きます。だから基本的には、小さくて速いことが、トータルで有利に働くケースの方が多いんです。手返しがぜんぜん違います。
デカいのがハマるときって?
ところが執着しているスポットがやたら複雑に入り組んでいたり、カバーやえぐれの中にバスが入り込んでしまっている場合。
存在感を遮(さえぎ)るモノがあれば、必要とされる魅力は大きくなります。これがクランクの場合はボリュームを上げる理由のひとつです。

ボリュームを上げる=キャスト数が減る
濁りがキョーレツで、マトを絞り切れず食いきれない場合や、小さくて速いルアーでは振り向かせられない場合。
視界や意識がよっぽどボケている場合には、ルアーのボリュームを上げることが、必要なキャスト数を減らすことにもつながります。
といった具合に、シャロークランクの釣りでは、小さくて速いことが有利に働くことが多いとはいえ、ルアーそのもののボリュームを大きくすることで好転する状況もなくはないってことです。
じゃあワンサイズボリューム上げるぜ! と思っても、なかなか候補が少ないんですよ。デカくて重い、そして速いがハマるシチュエーションに、シャローで使えるクランクが。
ちなみにいま、僕がシャローの釣りで好んで使用しているフルサイズクランクはざっとこんな感じです。
- フューリー(ミブロ)←速くない
- EVOKE2.0(デプス)←デカくない
- RTO2.5(ラッキークラフト)←デカくない
- RTO3.5(ラッキークラフト)←速くない
- レベルクランクゴリラ―(レイドジャパン)←デカくて重くて速い(NEW!!)
レベルクランクゴリラ―の登場で、最強の布陣が完成しました。
まさにユーティリティクランク
上では「何の特徴もないフルサイズクランク」と書きました。たしかにトータルでいうと、ま~るく収まっています。丸く収まっているということはつまり、使いやすいということです。
で、その使いやすさが何に起因しているのか? というと、カッ飛び性能に尽きるかなと思います。とにかくよく飛びます。
それに加えて「レベル」であること。つまり水平(といえなくもない)姿勢…。これは良し悪しなんだけど、「良しと思えるシチュエーションで巻けよ」で完全論破。
浮力を犠牲に手に入れたカッ飛び性能
ハッキリ言います。外観だけで想像して「浮力が高い!」と言い放つクソブログ、クソYouTuberが非常に多くてご迷惑おかけしております。代表してお詫び申し上げます。
実際のところ、レベルクランクゴリラ―は上で挙げたどのクランクよりも浮上能力が低いクランクベイトです。
ここであえて浮上能力という書き方をしたのは、ルアーが浮き上がる速度は浮力だけでなく垂直方向の抗力にも影響を受けるからです。水の抵抗はルアーの投影断面積だけでなく形状や姿勢にも影響を受けます。そういったややこしい話はいっそ抜きにして、とにかく浮き上がるスピードは遅いです。
ただしそういったネガにさえ目を瞑れば、マジにぶっ飛ぶのがレベルクランクゴリラ―のいいところ。適切なタックル~アンダー目なタックルで投げると、本当によく飛びます。余計な空気抵抗を受けることもなく、狙いのスポットにカッ飛んでいきます。お前がナンバーワンだ!
このブログで何度も書いていますが、僕はクランクベイトほど飛距離が重要となるルアーはないと考えています。
クランクベイトは魚を迎えに行くタイプのルアーなので、釣れる釣れないが、ルアーを通すコースやレンジに完全に依存しており、通せるコースやレンジは、飛距離に完全に依存しています。つまり必ずしも毎投カッ飛ばす必要はないにしろ、必要に応じて飛ばせるルアーでなきゃダメなんです。
緩やかに潜行する水平(に近い)姿勢
公式PRではMAX2mの潜行深度と豪語されるレベルクランクゴリラ―ですが、スイム姿勢が水平に近く、そのため潜行角度が緩いので、2mに到達するのはかなり厳しいと思います。よくて1.5m。常用できるのは1.2m程度でしょうか。

ただしこの潜行角度の緩さがシャローで使いやすい点でもあり、つまりは通したいレンジを長く引けるということ。さらにボトムや障害物にコンタクトしても姿勢を崩しにくく、コースを外れにくいということでもあるので、狙いの点を通過しやすいわけですね。

と言われそうなもんですが、狙いのレンジが1.5mだとして、たしかにイッキに潜らせるのは難しいです。しかしそのための助走距離は前述のカッ飛び性能が補っています。
姿勢よく緩やかに潜行するということは、裏を返せば、つんのめって千鳥るようなイレギュラーなアクションは生まれにくいので、千鳥るのがいい人はRTOとか、「浮力高くて前傾姿勢のクランク」がおすすめです。
また水平姿勢は巻き抵抗が軽いというのもポイント。ただしワイドウォブル系アクションがそれを相殺していますけどね。
正直言って根掛かりは多い
そもそもカバークランキングに特化したフューリーや、前傾姿勢かつハイピッチウォブル系のRTOと比較すると、なんでもないようなところでスタックしやすいレベルクランクゴリラ―。
まあ得意なレンジは回収容易なシャローなので、問題はありません。
根掛かりまでいかなくても、フロントフックの摩耗スピードはダンチです。
レベルクランクゴリラ―の取り扱い説明書
レベルクランクゴリラ―を使うにあたって、難しいのがタックル選びです。リールは普通に巻き物用(公式はローギア推奨、わたくしはハイギア推奨)を使えばいいと思うし、ラインはフィールドに合わせてって感じ。問題なのはロッドですよね。
公式の動画では、MからMH、またはHからXH(!)といったヘビータックル推し。たしかにMクラス以上のバーサタイルなロッドは所有率が高いと思いますが、なんにしてもM~XHは幅利かせすぎ!笑
まあ順当にいけば、Mクラスで巻き調子のサオであれば問題ないと思います。
が、僕はかなりアンダー目なタックルで使っています。
個人的にはアンダーなタックルがおすすめ
ズバリ言って、デカかろうが重かろうが、シャロークランクはシャロークランクです。投げて巻く本人が苦痛に感じるのでなければ、ロッドは絶対にアンダー目=「ちょっと柔らかすぎない?」ってぐらいがイイと僕は考えています。
ルアーを引っ張り過ぎない
公式の紹介文にはこうあります。
クランクベイトに限らずファストムービングベイトを使用する場合、ローギヤのリールをお勧めします。ローギヤリールにしかできない「ルアーを引っ張りすぎない巻き取り感」によってルアーがより一層水と仲良くなり魚をバイトに持ち込みやすくなります。

ルアーを引っ張り過ぎないことにフォーカスするなら、リールのギア比が与える影響というのは残念ながら単なる感覚的なもので、物理的にはまったく関係ありません。そんなことよりもラインの伸度<サオの弾性の方がクリティカルに影響します。
そもそも巻き抵抗は一丁前なので、たしかにローギアを使うのはいいと思います。ただしこれには、M~XHというバリ硬なロッドにフロロカーボンラインの太糸を使うのであれば、あとはもうリールのギア比でなんとか帳尻を合わせるしかないよねっていうふくみを感じます。

僕の場合、ゴリラ―程度の巻き抵抗であればまだまだハイギアリールの範疇だと考えているので、ルアーのアクションを阻害しないためにはサオを柔らかくします。
そうすることで、「硬いサオ+ローギアリール」よりもルアーを引っ張り過ぎないセッティングになると信じています。
バラしにくい
いちばんの理由はこれ。
レベルクランクゴリラ―だけではないですが、体積、質量ともに大きいフルサイズクランクは魚が掛かってからも抵抗が大きく、小さく軽いクランクに比べて首振りなどでバレやすいのも特徴です。

たしかにそうかもしれません。だからこそ、道具ですこしでもキャッチ率を上げられるなら万歳です。
僕が使用しているタックルがコチラ

アンダー目なタックルがおすすめ
というわけで、なんの工夫もないただのクランキングタックルですが、いちおう紹介しておきます。
ロッド:ファクトHFAC-66ML
リール:20カルカッタコンクエストDC100HG→15カルカッタコンクエスト101HG
ライン:フロロ12~14lb
ロッドは超低弾性カーボンのMLクラスです。ダルいけど、グラスじゃないので感度もイイです。クランキングに感度は不要という人もいますが、僕は感度を重視しています。
掛けてからはサスペンションのよく効いた曲がりをするので、バラす気がしません。それでもときどきバラしますが、硬いロッドだとなおさらバラすので、マジで助かっています。
リールは100%ハイギアです。

ラインは汎用性の高い12~14lbにしておくことで、9gクラスのクランクや3mクラスのディープダイバーに兼用できます。琵琶湖ならどうなのって感じですが、リザーバーメインなら14lbより太くする必要性を感じません。
まとめ
ユーティリティ感漂うフルサイズクランク、レベルクランクゴリラ―を紹介しました。
いや~シャロークランクってなかなか、ときめく新製品が登場しにくいジャンルなんですけど、これは使えますね。出船時にリグっちゃうクランクの筆頭候補ですよ、これは。