今回は動画をさきに公開したので、もうすで知ってる人もいるかと思いますが、先日ジリオン10を購入しました。
自称「ベイトリールに厳しい男」であるわたくしことMONSTERです。直近では19アンタレスHGをぶった切り、20カルカッタコンクエストDC100HGに唾を吐いてきました。アンチコメントをたくさんいただいたので、「やっぱり19アンタレスHGはいいリールでした」と釈明しましたが。クソリールはクソリールです。

でも今回は、いままでに感じたことのない満足感に包まれています。ようやく出会えた「ぼくのかんがえたさいきょうのベイトリール」、ジリオン10を紹介します。

インスタ映えするジリオン10
ジリオン10
詳しいカタログスペックは公式サイトを見てください。
これからダラダラと書きあげますが、本文を読むのがメンドクサい人は動画を見てください。話している内容はすべて字幕に起こしているので、音量ゼロでも見れちゃいます。てか音量デカかったので、音を出して見る人は注意してください。
DREAMS COME TRUE
夢が現実に。世界のトッププロ、TOこと大森貴洋プロはハイギア狂ということでみなさんご存知だと思いますが、彼が熱望しつづけた撃ち巻き両用の超ハイスピードリールが、ギア比10:1&最大巻き上げ長106cmという爆速スペックで登場しました。
撃ち巻き両用というのがまずもってイカレてて、大森プロはこの爆速リールをクランキングからジグ撃ちまで、本当にバーサタイルなリールとして使っています。すごいですよね。
爆速バーサタイル
ギア比10:1でバーサタイルといわれても、ぜんぜんピンと来ないと思います。
クランキングにハイギアリールを使うだけで「お前はわかってない!」といわれる日本のバス釣り界では、この根っこにあるコンセプトは理解されないでしょうね。

僕らはビール飲んでラーメン食って、休日に釣りしてまたラーメンです。フィジカルもメンタルも、月と炭疽菌ぐらい次元が違います。
たしかに大森プロの釣りを真似することは、常人には不可能だと思いますが、世界にはいろんな考え方の人がいます。ギア比やハンドルの左右でゴチャゴチャ言ってるニホンジンは、自分の考えを他人に押し付けすぎだよな!
撃ち物、底物専用リールとして運用するなら
僕もさすがに大森プロほどのフィジカルを持ち合わせていないので、これをクランクベイトとかスピナーベイトのような普通の巻き物に使うのはNOです。
やってもせいぜいバズベイト、ミノー、バイブレーションぐらいだと思いますが、とりあえずこれらもぜんぶ捨てて、12~16lbクラスの撃ち物、底物専用リールとして運用します。

使用前提のリグ
撃ち物、底物。とひとことで言っても、人によって想像するリグがぜんぜん違うと思うので、使用前提のリグを紹介しておきます。
- テキサスリグ
- リーダーレスダウンショットリグ
- コンパクトラバージグ
- ネコリグ
- フリーリグ
- キャロライナリグ
ちなみにロッドはファクトHFAC-70HSTです。2本あるので、ラインの設定を変えて撃ち物&底物という組み方にしたり、撃ち物(重い)&撃ち物(軽い)という組み方にしたり、フィールドによって組み替えますが、僕の流儀(爆笑)にあたるタックルなので、かならず2本は持っていきます。

手前2本がHFAC-70HST

ちなみにフットボール(と、ヘビダン)専用に使っているHFAC-67MHSTには合わせません。これには18アルデバランMGLという魂の伴侶がいます。
下限は総重量9g
HFAC-70HST+ジリオン10の組み合わせで使用するリグの下限にあたるのは9g程度。ファットウィップ5インチに1.8gネイルシンカーを合わせたネコリグが、ちょうど9gぐらいです。

総重量9gのネコリグ
総重量9gというリグウェイトは、ベイトフィネスの領域をわずかに外れていて、なおかつ一般的なミディアムヘビー~ヘビークラスの撃ち物からも外れている、扱いの難しいリグだと個人的には思います。
これを12~16lbで快適に扱いたいので、メタMGLにはKTFのバーサタイルフィネススプールを入れています。なのでもちろんジリオン10も、スプールはそれに相当するものに換えます。

上限は23g程度まで
ドライブビーバー4インチの10gリーダーレスダウンショットリグがだいたいこれに当たります。ロッドの適性上、これが快適に扱える上限のリグウェイトですね。

ドライブビーバー4インチ10gリーダーレスダウンショット
この組み合わせ(スイベルやウキ止めゴム含む)だと普段は23gなんですけど、使用後のリグなので塩が抜けて誤差が出たようです。
専用リールに求める性能
僕が撃ち物、底物の専用リールに求める性能は軽さとスピード、このふたつだけです。
とはいえもっと掘り下げると、軽さには本体自重、スプールの軽さ。スピードには回収速度、キャストスピード。ズバリ4項目です。
よってこれまでは、上記4項目でトータルバランスのいい16メタニウムMGL XGをMAX3台、2台かならず持ち込んでいました。一時は、より速い16ジリオンSV TW XXHLも買いましたが、これは(メタMGL XGと比較して)ネガが目立ったので、手放しました。この辺の話は、16スティーズSV TWの記事にちょっとだけ詳しく載せています。
20メタニウムXG(レフトハンドルモデル)もジリオン10と同じ用途で予約購入していますが、どーすんだこれ…。ジリオン10をもっと早く買うべきでした。

本体自重
ジリオン10の標準自重は215gなので、ハッキリ言ってかなり重い部類に入ります。

公差で212gでした
あれこれやって軽量化したところで、せいぜい200gぐらいだと思うので、いさぎよくあきらめます。とはいうものの、実はこのリール、そんなに重く感じないんですよね。
詳しくは後段で書きます。
スプールの軽さ
ブレーキによる制動にメリハリをつけたいのと、総重量9g~のリグを使用することが前提なので、デフォのスプールでは結構キツめです。深溝を埋めるためにラインをたくさん巻くことで、かなりの重量になってしまうからです。

ちなみに、実はジリオンSV TWシリーズに入っているRCS1016G1SVスプールは、スティーズSV TWやスティーズA TWに入っている同名のスプール、SLP WORKSから発売されている同名のスプールと仕様が異なります。ツイッターで、親切な人が教えてくれました。
回収速度
純粋に速ければ速いほどいいです。ジリオン10は34mm径スプールのベイトリールの中ではずば抜けて速いので、これだけで他の項目のダメさには目を瞑れます。
ちなみに速いだけのリールならほかにもありますが、34mm径スプールで速いからいいんですよ。
キャストスピード
リグが飛んでいく際の初速です。
スプールの軽さの項目と内容が重複しますが、とにかくスプールの立ち上がりと、初期制動の強さにはこだわりたいですね。
デフォのスプールが決して悪いわけではないんですが、僕の使い方であれば、もっと軽くて速いスプールに換えないといけません。
スプールの浅溝化は必須
あえて必須と言い切りますが、これはあくまでも僕個人の運用における、僕個人の考え方です。誰かにとっては刺さるかもしれませんし、誰かにとっては間違っています。
僕はジリオン10を撃ち物、底物用に使うんですが、そもそもこれは決して専用のリールではないんですよね。生みの親(大森選手)が撃ち巻き両用に使ってるんだから、誰が何と言おうと、バーサタイルコンセプトです。
だからなのか、特化運用するうえで随所にカユイところがあるんですよね。すぐ目に着くところで2つあります。
- 90mmハンドル
- RCS1016G1SVスプール
シマノベイトリールの特化向け番手(XG)は、95mm(シマノ表記では48mm)なんですよね。これを長い間使ってきたものだから、撃ち物や底物には95mmハンドルというのが染みついています。それに対して、ジリオン10は巻く気満々の、バーサタイルな90mmハンドルです。
そしてスプールは、巻き物向けの深溝スプールなんですよね。もちろんこのSVスプール(RCS1016G1SV)でも、総重量9gのネコリグは投げられます。でも「投げられる」のと「快適」は次元が違います。これは僕の技術レベルが低いからかもしれませんけどね。

ハンドル長はともかくとして、少なくともスプールは換えなければできない釣りがあるので、早速弄りました。
浅溝スプール採用の目的
ここでいう浅溝スプールは、SLP WORKS純正オプション品のRCS1012G1SVスプールよりも浅い、マジの浅溝スプールです。
具体的にはフルキャパシティで12lb-50mクラスのスプールを言うのですが、これまではKTFのバーサタイルフィネススプールを使って、同じ用途で運用していました。
この手のガチ浅溝スプールを採用する目的は、ラインの巻き量を減らすことでスプール全体の重量を抑え、スプールの立ち上がりを改善しつつ、なおかつブレーキの制動力を上げることです。そうすることで、ベイトフィネス一歩手前のリグまで快適に使えるようになります。

糸巻量を減らしてスプールを軽くしたいなら、RCS1016G1SVスプールやRCS1012G1SVスプールをハーフラインで使えばいいじゃん! という意見が聞こえてきそうです。
でもこれは大間違いで、わざわざスプール径を目減りさせるなら、比10:1、最大巻き上げ長106cmの爆速リールを使う意味がありません。仮に糸巻面がスプールエッジから3mm下がっただけで最大巻き上げ長は87.9cmになります。フルマックスから18cm減ですよ。
12lb-50mで足りるの? とよく言われますが、十分すぎます。なんなら16lb-30m、14lb-40mで運用することの方が多いです。
浅溝スプールの選択肢
まずはこれまでメタMGLで愛用していたKTFバーサタイルフィネススプールのfor DAIWAモデル、バーサタイルフィネススプール 「KAHEN」を買おうと思ったんですけど、あいにくの売り切れ。
これは人気モデルなので、入荷してもほぼ即日完売します。転売屋がせっせとオークションに流してしまうんですよね。それにしてもバス釣り界の転売文化って、いつまでたってもなくならないですね~。

で、仕方なく購入したのがレイズスタジオという怪しい中華メーカーのフィネススプール。
レイズスタジオをはじめて買ったけど…
僕は今回、ブラックアルマイトをチョイスしました。黒がラインナップされているってだけで、少なくとも国内メーカーよりはセンスありです。ありがたいですよね。

レイズスタジオ浅溝スプール
素性のわからないメーカーだったので、これまでは敬遠していたんですけど、いざ買ってみるとめちゃくちゃいいです。今回はコイツのインプレ記事ではないので、細かいことは抜きにして、KTFである必要はほぼ感じません。
ぼくのかんがえたさいきょうのジリオン10
ようやく準備が整いました。2本のHFAC-70HSTに、片方にはこれまで通りメタニウムMGLをつけて使用感を比較しました。
リール:ジリオン10+レイズスタジオフィネススプール
ライン:シーガーR18フロロリミテッドハードBASS 16lb
リール:メタニウムMGL XG+KTFバーサタイルフィネススプール
ライン:シーガーR18フロロリミテッドハードBASS 16lb
リール周り以外は完全にコピータックルで、9g~23gの普段使っているリグをひたすらローテーションしました。

ジリオン10で撃ちまくる
ポジティブインプレッション
スプールを変えたので、軽いリグが投げられるのは当たり前だし、そもそもギアレシオが高いのでメタMGLより早くて当たり前。釣りをする前から当たり前に想像できることを書いてもしょうがないので、「うお、マジか!」と感動したことだけを書きます。
あれ? 重くない
スプール換装、ラインも巻いた状態で、ジリオン10は実測215g、メタMGLは実測181gだったので、その差34g。これってボクシングでいうところの3階級差ぐらいに相当すると思うんですけど、実際のところ、重さを感じません。
もちろんただ持っているだけではわずかに重さの違いはわかります。ただし、キャスト、ピッチング、ロッドワークなど、実釣動作の中ではその差がまったくわからないということです。
これは僕が鈍感なのもあるかもしれません…じゃなくて、ひとつだけハッキリしたことがあります。シマノよりもダイワの方が、ギアボックス・ハンドルシャフトなどの重量物が手元方向に寄っています。

並べてみたけどわかりにくいよね
これは手持ちのシマノリールすべてと比較しましたが、どれも同じです。また機会があれば、正確に測定します。
パーミングしやすい
変なところにブレーキダイアルのあった16ジリオンSV TWと異なり、かなり握り込みやすくなっています。

パーミングしやすいジリオン10
そもそもダイワのベイトリールはお尻が小さいので、シマノに比べると手のひらへのおさまりがいいですよね。個人差はありますけどね。
ネガティブインプレッション
本当はネガティブな印象なんてないんですけど、かなり絞り出しました。笑
意味不明の金属部品でダメージを負う
親指の付け根が当たる部分に、意味不明の金属部品が飛び出していて、ずっと握っていると痛いんですよね。

上から見るとただただかっこいい差し色なんですけど

実はこれ、飛び出しているんですよね
ドラグしょぼすぎ
ベイトリールのドラグに期待するもんじゃないですが、UTD(アルティメットトーナメントドラグ)にも期待はしないようにしましょう。
「ドラグ効き始めの初期の食い付きを解消し、スティック(ムラ)のない滑らかさを実現しながら締めれば締めるほど効く最大ドラグ力を兼備する」と紹介されているんですが、高負荷時はシュッシュッシュとリズミカルにラインが出ていきます。
僕は気にしないけど、コトコト鳴ります
これは口で説明しにくいので、動画をみてください。14:45ぐらいから、この件について触れています。
僕はコトコトなろうが、ゴリゴリなろうが、シャリシャリだろうが気にしないんですが、気にする人のために書き残します。
まとめ
発売から半年近く経ってるのでいまさら感があるんですけど、ついに出会えたって感じですよね。
完全に好き嫌いの分かれるリールだということは間違いないんですが、似たような運用で購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。