普段はスパムばかり受信しているお問い合わせフォームから、わざわざこのような質問をいただきました。


はい、ありがとうございます。
決して初心者向けでない、かといって中級者、上級者向けでもないこんなクソブログに迷い込んでしまったビギナーさん。一体Googleはなにをやっているんですか? 仕事しろ! (たくさんのアクセスありがとうございます、本当に感謝しています。もっと上に上げてください。)
というわけで、これまですべてのバサーが例外なく思い悩んできた「バス釣り用スピニングリールの番手問題」について、僕なりの考え方を書き残していこうと思います。

目次
バス釣り2500番神話
バス釣りに使うスピニングリールといえば、各社2500番がオーソドックスです。トーナメントリザルトやメディアプロの記事を見ていても、やっぱり2500番を使っている人がヒジョーに多い。使用者の割合から言って、これは間違いない事実なんですよね。
そんなトーナメントプロやメディアプロが繰り返しテストをして、製品が開発されるんだから、2500番は文句なくバス釣りを意識して作られた番手だと言えます。
なので2500番を買っておけば、まずもって大きく外すことはありません。大満足にバス釣りができることは保証しておきます。でも、何が何でも2500番が正解なのか? というと話は別。ハッキリ言ってしまえば、この考え方は間違っています。
結論を言ってしまうと、ケースバイケース。趣味の視点から見ると4000番クラスのデカすぎるスピニングリールを使うのも大いにアリだし、いかにも頼りなさそうな1000番クラスでも十分デカバスが獲れます。
バス釣りスピニングリールのサイズにルールなし
ベイトリールの場合は、想定される釣りに使用するリグウェイトや必要なライン強度から、リールサイズからギアスピードまでがほぼ自動的に決定されます。
ところがスピニングリールの場合、2500番を選択すれば大体すべてのメソッドに対応できてしまいます。ウルトラフィネスからパワーフィネス、フロロなら3~6lb、PEならMAX2号ぐらいまでの釣りを網羅できます。バス釣りに限っては。
だから4000番だろうが1000番だろうが、お好きにドウゾってのが究極の回答になります。
なんですけど、実際にはやる釣りに応じてサイズを選ぶ…つまり「バス釣りには~~番」という見方ではなく、「この釣りには~~番」といった選び方をするのが正しいです。圧倒的に。
釣りに合わせたスピニングリールのサイズ選び
予算が限られていて汎用性を重視したい場合や、1本のタックルで何でもかんでもやるのが信条だって場合を除けば、2500番じゃない方が捗る釣りがあります。

じゃあ具体的に、どこからどこまでがバス釣りに使えるんだって話なんですが、個人的には上限はC3000番クラス、下限は1000番まで。この範囲内のサイズなら、文句なくウルトラフィットする釣りがあります。
ここではあくまでもサイズのみに焦点を当てて、釣りの種類とフィットするリールについて紹介していきましょう。
2500番より大きいリールがフィットする釣り
2500番より大きいリールというのは、3000番、4000番とありますが、バス釣りごときに必要なサイズはせいぜいC3000番までです。


C3000番というのはボディサイズが2500番と同等なので、2500番よりも大きいというのには違和感があるかもしれません。が、通常C3000番クラスには2500番よりもドラグの強い3000番スプールが搭載されることから、より大きい番手として見ていいと思います。
キモとなるのは3000番クラスのドラグ強度。たかがバス釣りですが、これが必要な釣りも一部あるんですよね。
たとえばパワーフィネス
ゴイゴイのカバーから2号クラスのゴン太PEラインとロッドの強度に頼って魚を引っこ抜くパワーフィネスは、3000番クラスのドラグがあったほうが間違いなく捗ります。

単なる吊るし(提灯)ばかりでなく、ウェッピングばりの無茶をすることだってままあります。カバーを介して魚を浮かせ、寄せるまではいいにしろ、ハンドランディング、またはネットを使ったランディングができず、抜きあげるしかないケースって意外と多いんですよね。
そんなとき、せいぜい2.5~3kg程度しかない2500番クラスの実用ドラグ力ではロックしきれない…なんてことが結構あります。
スプールに指を添えたりすることでフルロックは可能なんですが、このひと手間がかったるいんですよね。というわけで、2500番よりもC3000番の方がパワーフィネスには合っています。間違いなく。


パワーフィネス
ロッド:ジャングルスピン680JMHS
リール:18ステラC3000XG
ライン:ソルティメイトキャストアウェイPE25lb
0.6号10lbクラス以上のPEラインを使ったパワースピン
虫系のように、「浮かす」ことだけが目的ではなく、ただ単純に直線強力(と場合によっては飛距離)を重視するパワースピンには、3000番クラスのドラグが「あってもいい」と思います。
カバーに絡めるようなスピンフロッグ、虫系であればなおさらで、とくに0.8号や1号といったオーバーキルなライン強度を扱うなら限界値が高く微調整も効きやすいドラグは有用です。
とはいえ、ドオープンの釣り(シャッドをはじめとしたハードプラグのマキモノ、ジグヘッドリグなど)にはぶっちゃけ不要かなあと…。動かしっぱなしの釣りはそもそも、ドラグをガチガチに締めるイメージがわかないし、微調整よりも緩めたり締めたりをクイックにやれる方がいい場面もあるので、2500番クラスの方が向いています。

ユーティリティーパワースピン
ロッド:フェイズPSCS-65M
リール:18ステラC3000XG
ライン:PE0.6号+フロロリーダー10lb
2500番より小さいリールがフィットする釣り
より大きい番手がどこまで使えるのか? というのは上で書いた御託以前に、常識の範囲内で片付く話なんですけど、より小さい番手はそうもいかない雰囲気があります。
中には「2000番や1000番なんて非常識だ!」なんてイメージさえあるような気がしますが、どう考えても2500番じゃデカすぎる釣りもあるんですよね。そんな釣りでさえ、盲信的に2500番を使う人は多いわけです。
個人的には3lbクラス以下のフィネス全般にはノータイムで小番手(シマノならC2500、C2000)を選択します。
3lbクラスの釣りには小番手
これはこのブログでしついこいぐらい書き続けていることですが、3lbクラスの釣りで、「今後2500番を使うことはもうないかな」ってぐらい小番手は快適です。
そもそも汎用タックル(たとえば64Lとか)で、下限に近いラインセレクトをすることってありませんよね? 3lbクラスの釣りは細糸をかばう意味でも、想定される超ライトリグを快適に扱う意味でも、それぞれ専用にタックルを組むと思います。
だからある程度、専門性の高いロッドを選ぶわけですが、こうした3lbクラスを想定したロッドはほとんどの場合小径ガイドセッティングが施されています。
汎用ロッドからパワースピンなど5lb以上のラインを想定したスピニングロッドの元ガイドはリングサイズ25が一般的です。元ガイドのリングサイズ25と言えば、バス釣り用スピニングロッドの伝統的な定番サイズで、5lbクラスのラインをチョークする(収束させる)にはちょうどいいサイズ感です。
これに対し、3lbクラスのラインを想定したスピニングロッドのガイドセッティングは、軽量化や操作性の向上のために小径化され、元ガイドに関してはリングサイズ20が一般的になりつつあります。なかにはさらに小さい16サイズというものまであります。
元ガイド径が小さくなればその分初期抵抗が増し、ラインの放出にブレーキがかかります。リグウェイトがそれなりにあれば、リグがラインを引っ張り出す要領で飛んでいきますが、そうもいかないのが3lbクラスの釣り。3g以下のペラッペラ、フワッフワのリグを気持ちよく飛ばすには、より細くしなやかなラインを使うか、より小径のスプールで元ガイドとの抵抗を和らげてやる必要があります。

以上の理屈でいろいろ試してみた結果、3lbクラスのフィネスは小番手のリールを使うことで、明らかに使用感が向上しました。
まだ未体験の人は、騙されたと思ってやってみてください。マジで捗りますから。

3lbクラスにC2000、C2500を使用
ロッド:HFAS-61ULST
リール:18ステラC2000SHG
ライン:バニッシュレボリューション3lb
ロッド:HFAS-61ULST
リール:18ステラC2500SHG
ライン:バニッシュレボリューション3lb
2500番がドンピシャフィットする釣り
ここまではまるで「2500番なんてオワコン!」と言いたげな感じで話を進めましたが、ズバリ言います。5lbクラス以上のフロロカーボンラインを使った釣りには、使用するリグウェイトを問わず、2500番が最適だと思っています。
というのも7lb程度までのフロロカーボンには、どう考えても3000番クラスのドラグは必要ないし、また4lbを超えるラインは小番手のスプールへの馴染みが悪く、扱いづらさが際立ちます。
それに3lbクラス前提のフィネス系ロッドと違い、5lb以上の太糸前提の汎用ロッドはガイドもデカいです。当然リグウェイトもそこそこ重いので、太糸を引っ張り出してカッ飛んでいきます。
だから必要十分なドラグ力とスプールサイズを備えた2500番が相応しいかなと思うわけです。
シャッドなどのプラッキング
シャッドやi字系、メタルバイブまで、フロロの通しなら4~6lb、PEなら0.3~0.6号がスタンダードなプラッキングは、2500番がフィットする代表的な釣りだと思います。
パワースピンの考え方と異なるのは、PEを使ったとしてもリーダーはせいぜい8lbクラスまでという点。これ以上強いシステムを組むのであればより大きい番手も視野に入りますが、プラッキングではドラグを出すやり取りが増えることもあって、2500番で不自由することはないです。
僕はこの手の釣りをあまりやらないので深掘りできませんが、間違いなく言えることはより大きい・より小さい番手を選ぶメリットがないということです。
ライトリグ全般のユーティリティー
尖ったタックルを組まないうちは登場頻度の高い、バーサタイルなライトリグタックル。5lbや6lbのフロロラインでセンコーだったり重めのスモラバだったり、総重量4~10g程度のライトなの? って感じの「重いライトリグ」をなんでもやっちゃうぞって人は、何も考えずに2500番を選ぶのが吉。
ロッドはもちろんど真ん中64L! とかそれに準じる番手。ゆくゆくは真っ先にリストから消えてしまうタックルのような気がしますが、そもそもスピニングタックルの数を増やしたくない人も大勢いると思います。これも2500番が売れる理由のひとつだと思います。
まとめ
めちゃくちゃダラダラ書きました。
あくまでも僕の個人的な考え方ですが、スピニングリールの番手選びで迷ったら参考にしてみてください。